last updated:2024/09/11:関連論文などを追加掲載
過去の暴風雪・大雪災害のデジタルアーカイブを用いた 冬期道路管理への活用に関する研究 (令和4年度~令和9年度)
▲デジタルアーカイブの活用イメージ
▲デジタルアーカイブの表示イメージ
▲研究フレーム
【研究目的】
高齢化や人員減少の中、冬期道路管理の経験に基づく暗黙知を引き継ぐために、新たな手法により省力化・効率化をめざす必要があります。本研究では、はじめに過去の暴風雪・大雪時における気象、被災状況をデジタルアーカイブとして作成します。つぎに、気象予測資料から冬期災害が想定される際に、過去の類似事例を検索し、想定される留意点等を提示することで、適確な道路管理につなげることを目指します。
【研究内容】
- 暴風雪・大雪時の災害デジタルアーカイブの作成
- 気象の現況および予測値から過去の暴風雪・大雪の類似事例を抽出する技術の開発
- 暴風雪・大雪時における災害履歴・予測情報の活用手法の提示
【パンフレット・代表的な報文など】
【先行研究など】
【関連Webサイトなど】
道路構造と風向の変化を考慮した吹雪視程予測技術に関する研究 (令和4年度~令和9年度)
▲道路構造・道路周辺環境など視程予測に影響する条件をデータ化(イメージ)
▲暴風雪時の判断支援システム(イメージ)
【研究目的】
道路構造及び道路周辺環境や風向の経時的変化を考慮した吹雪視程予測の評価手法を提示することで、路線に応じた吹雪視程の予測精度向上を図ります。
上記評価手法を用いて予測した吹雪視程を道路管理者に提供する技術を開発します。
予測した情報を道路管理者に提供することにより、除雪や道路通行止めの判断を効率的かつ高精度に行うための環境構築を図ることで、道路管理者の判断を支援し、現場作業の負担軽減に貢献します。
【研究内容】
- 暴風雪における道路管理者の判断の支援に必要な情報の把握
- 道路構造等及び風向と吹雪視程障害の関係性の分析
- 道路構造等及び風向を考慮した吹雪視程予測の評価手法の提示
- ICTを用いた吹雪障害事象の収集
【パンフレット・代表的な報文など】
【先行研究など】
【関連Webサイトなど】
新たな樹種構成や複合的施設配置による 防雪林の機能確保・向上技術に関する研究 (令和4年度~令和9年度)
▲道路防雪林の生育不良
▲樹林内に設置した補助ネット
▲低木の導入効果(イメージ)
▲模擬実験を活用した防雪林の評価(イメージ)
【研究目的】
近年、頻発する暴風雪に対して、防雪林は最も高い防雪効果が期待できます。しかし、現行の設計手法では、常緑針葉樹を苗木植栽するため、防雪機能発揮まで時間を要するうえ、枯死・育成不良も課題になっています。本研究では、要求される防雪性能を念頭に、樹種構成の変更や複合的施設配置を検討し、メンテナンス性・景観等も考慮した、防雪林の防雪機能の向上・確保技術を提示します。
【研究内容】
- 防雪林に求められる要求性能の設定
- 新たな樹種構成による機能確保技術の提示
- 複合的な施設配置による機能確保技術の提示
- 防雪林の機能確保手法に関する技術資料の作成
【パンフレット・代表的な報文など】
【先行研究など】
防雪柵の性能評価手法の標準化に関する研究(令和4年度~令和9年度)
▲視界不良対策として整備されている防雪柵
▲吹きだまりの形成の調査状況
▲数値シミュレーション計算結果の一例
【研究目的】
防雪柵周辺の吹きだまりの形成などを再現する数値シミュレーションプログラムを活用し、吹雪対策施設の効果検証方法を検討します。
防雪柵の効率的かつ効果的な整備に貢献し、安全で安心な冬期道路交通サービスの提供と道路管理の効率化に寄与することを目的としています。
【研究内容】
- 吹きだまり等を再現する数値解析手法の検討
- 数値解析による防雪柵の性能評価手法の策定
- 道路吹雪対策マニュアルの改訂
【パンフレット・代表的な報文など】
【先行研究など】
急激な気象変化に伴う雪崩災害に対する道路管理 (令和4年度~令和9年度)
▲厳冬期の多量降雨による雪崩災害事例
▲降雨や気温上昇による雪崩発生過程の概念図
▲雪崩災害の発生条件(イメージ)
【研究目的】
厳冬期における多量降雨や急激な気温上昇などの気象変化に伴う雪崩災害に対して、冬期道路交通の安全性確保を図り、道路管理を支援する手法の開発を行うことを目的としています。
【研究内容】
- 急激な気象変化に対応した斜面積雪の安定性評価手法の提示
- 積雪下の土砂の安定性評価手法の提示(防災地質チーム担当)
- 雪崩災害に対する道路管理の判断支援手法の開発(防災地質チームと共同で実施)
【パンフレット・代表的な報文など】
【先行研究など】
【関連Webサイトなど】
吹雪時の視程急変予測技術に関する研究(令和5年度~令和7年度)
▲石狩市に設置されてあるXバンドMPレーダ
▲ XバンドMPレーダによる観測データから推定した吹雪時の地上の視程分布
(2020年12月17日17:00の例)
【研究目的】
吹雪時の視程急変はドライバーの急ブレーキ・急ハンドルを誘い、多重衝突事故の原因となります。視程障害による交通事故を未然に防ぐためには、視程が急変する可能性を事前に予測し、一般ドライバーや道路管理者に対して情報提供することが重要です。令和3年度まで実施していた先行課題「XバンドMPレーダを用いた吹雪検知技術の高度化に関する研究」において、降雪時のレーダデータから吹雪時の視程を推定する手法を構築しました。
令和5年度からは、この推定手法を発展させ、吹雪による視程急変予測情報の社会実装を念頭に置いた技術開発を行います 。
【先行研究など】
【パンフレットなど】
【代表的な報文など】
【関連Webサイトなど】
AI技術を活用した冬期道路管理の判断支援に関する研究 (令和6年度~令和9年度)
▲関連主要研究に本研究内容①・②を追加した研究フレーム
【研究目的】
今後発生する暴風雪・大雪時災害のデジタルアーカイブ化および蓄積・更新手法を構築のうえ、暴風雪・大雪時の道路通行止めの判断支援に特化した学習モデル等を作成します。道路管理者の判断にAIが提示する助言を併せて活用し、これらの対応記録を蓄積する仕組みの構築により、将来に向けてさらなる形式知化や省力化につなげます。
【研究内容】
- 新たな暴風雪・大雪時災害のデジタルアーカイブ化および蓄積・更新手法の構築 暴風雪・大雪時の道路通行止めの判断支援に特化した学習モデル等の作成
【パンフレット・代表的な報文など】
【先行研究など】
【関連Webサイトなど】
ICTによる吹雪障害検知の実用化に関する研究(令和6年度~令和8年度)
▲各種センサーの設置イメージ
▲吹きだまりの検出事例とセンサーのイメージ
【研究目的】
複数箇所に開発したセンサーを道路に設置することで、視程障害や吹きだまりの発生をリアルタイムで監視することや、スタック車両を検知するセンサーを開発して、道路管理者へ通知するシステムの構築を行います。
パトロールや除雪作業の最適化、および通行止め判断の効率化など、道路の維持管理の高度化・迅速化、安全性の向上を目的としています。
【研究内容】
- 道路を想定した吹雪障害発生の現況モニタリング技術の提案
- 吹雪時における車両検知センサーの試作
【パンフレット・代表的な報文など】
- The visibility of the human eye in blowing snow with the effect of suspended snow particles' afterimages
International Journal of Intelligent Transportation Systems Research, 21, 76-85, 2023, doi: 10.1007/s13177-022-00338-w: Toshimitsu Sakurai, Hirotaka Takechi, Tetsuya Kokubu, Masaru Matsuzawa
- Visual distance during blowing snow considering the afterimages of suspended snow particles
第19回 日中冬期道路交通ワークショップ論文集、19、3-11、2023:Toshimitsu Sakurai, Hirotaka Takechi, Tetsuya Kokubu, Atsushi Nishimura, Masaru Matsuzawa
- The visual distance of industrial cameras varies with exposure time during blowing snow
The 2023 International Conference on Road Weather Maintenance, Converted by the Transportation Research Board at Keck Center of National Academies of Sciences in Washington D.C., 2023 (Extended Abstract), : Toshimimtsu Sakurai, Hirotaka Takechi, Tetsuya Kokubu, Atsuhi Nishimura, Masaru Matsuzawa
- 現地観測に基づく新型簡易吹雪センサーの開発
雪氷研究大会(2023・郡山):菅原邦泰・羽賀秀樹・櫻井俊光・國分徹哉・西村敦史・齋藤隆幸
- ミリ波レーダーを利用した吹雪による吹きだまりのモニタリング技術の開発
雪氷研究大会(2023・郡山):櫻井俊光・鈴木健・酒井文則・松島哲郎・松下拓樹・西村敦史
- 2D小型LiDARによる地吹雪イベントの吹きだまり分布の時間変化について
雪氷研究大会(2023・郡山):櫻井俊光・國分徹哉・山倉祐也・羽賀秀樹・齋藤隆幸・菅原邦泰・西村敦史
- 2Dレーザースキャナを利用した吹雪による吹きだまり分布と飛雪粒子の観測について
雪氷研究大会(2023・郡山):櫻井俊光・松島哲郎・荻野博昭・松下拓樹・西村敦史
- 吹雪障害を検知するセンサーについて
寒地土木研究所月報No.831,2022年5月:櫻井俊光
【先行研究など】
気候変動の影響を考慮した雪氷指標分布の作成技術に関する研究 (令和6年度~令和8年度)
▲時間吹雪量(吹雪障害指標)の超過確率
(アメダス網走における計算例)
【研究目的】
将来において気候変動が進行する中で、人命に関わるような暴風雪や大雪等の冬期災害の激甚化が懸念されています。令和5年度まで実施していた先行課題「アンサンブル気候予測データベースを用いた吹雪障害指標の将来予測の可能性に関する研究」では、大規模アンサンブル気候予測データベースd4PDFを用いて、北海道内数地点における吹雪障害指標の将来変化を確率論的に予測する手法を提案しました。
本研究では、この推定手法を面的に適用し、北海道における近年の極端事象を反映した雪氷指標(視程障害の発生頻度等)分布図および将来気候における雪氷指標分布図の提案を行います。
【研究内容】
- 近年の気象を反映した雪氷指標分布図の提案
- 将来気候における雪氷指標分布図の提案
【パンフレット・代表的な報文など】
- 気候変動予測データベースd4PDFと冬期道路管理への応用可能性について
寒地土木研究所月報No.838,2022年12月:菅原 邦泰
- 北海道における吹雪発生傾向の気候変動影響
日本気象学会2023年度秋季大会:菅原 邦泰、原田 裕介、北海道大学 稲津 將
- Climate change assessment on blowing snow in Hokkaido using a large ensemble dataset
(大規模アンサンブルデータベースによる北海道の吹雪における気候変動影響評価)
Scientific Online Letters on the Atmosphere (SOLA), in press:菅原邦泰、原田 裕介、北海道大学 稲津 將
【先行研究など】
【関連Webサイトなど】