研究開発
Research and development

防護柵の位置づけ(定義)

ワイヤロープ式防護柵とは、高いじん性を有するワイヤロープと、比較的強度が弱い支柱により構成され、車両衝突時の衝撃に対して、主にワイヤロープの引張りで抵抗する防護柵です。表裏がなく、支柱が設置できる空間があれば、容易に設置、撤去が可能なため、既存道路への設置や、狭い幅員の分離帯用として使用することが有利です。

 

道路構造令における設置必要幅

ワイヤロープ式防護柵を“防護柵”として設置する場合には、中央帯の必要幅は1.10mです。ただし、道路構造令の標準的な規格設定を勘案すると、中央帯幅は1.25mと判断されます。

 

防護柵導入時の幅員構成

ワイヤロープ式防護柵とは、高いじん性を有するワイヤロープと、比較的強度が弱い支柱により構成され、車両衝突時の衝撃に対して、主にワイヤロープの引張りで抵抗する防護柵です。表裏がなく、支柱が設置できる空間があれば、容易に設置、撤去が可能なため、既存道路への設置や、狭い幅員の分離帯用として使用することが有利です。

 

●現況断面

(標準的な第3種2級2車線)

 

●完成分離2車線

開口部なし(マウントアップのみ)

 

●完成分離2車線

開口部なし(ワイヤロープ式防護柵あり)

 

●避譲車線(登板車線)車線設置区間

開口部なし(マウントアップのみ)

 

●避譲車線(登板車線)車線設置区間

開口部なし(ワイヤロープ式防護柵)

 

●暫定2車線区間(簡易中央帯)

●暫定2車線区間(中央帯導入案)

(ワイヤロープ式防護柵)

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設置基準

防護柵を導入するためには、日本の設置基準を満足する必要があります。ワイヤロープ式防護柵は、ケーブルのたわみで衝撃を吸収することが特徴ですが、その際、設置基準の1つである変形性能を満足することが求められます。変形性能は、対向車線へのタイヤのはみ出し量(最大進入行程)で判断されます。

 

高速・自専道:A種

高速・自専道(重大な被害が発生するおそれのある区間):S種

一般道設計速度60km以上:B種

一般道設計速度50km以下:C種

最大進入行程

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防護柵性能確認試験の実施

海外製品を使った衝突試験(一般国道対応)

海外で使用されているワイヤロープ式防護柵は、日本の設置基準(一般国道用)を満足することを確認しました。

 

 

寒地土木研究所で開発中の防護柵の衝突試験(高速道路対応)

高速道路用の試験では、「乗用車」での変形性能は満足しましたが、「大型車」では満足することができませんでした。なお、乗用車は、前部は損傷しましたが、室内の損傷はなく、ワイヤロープ式防護柵は衝撃吸収能力が高いことが実証できました。

 

 
▲乗用車(1トン)の試験   ▲大型車(20トン)の試験    
         
   
▲乗用車(1トン)の試験   ▲大型車(20トン)の試験   ▲衝突後の乗用車損傷状況

 

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