背景
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北海道の交通事故の特徴

北海道の交通事故対策は、交通管理者との連携のもと、必要な道路整備を進めてきた結果、平成16年度まで13年間続いた都道府県別交通事故死者数ワースト1を平成17年から平成21年まで5年連続で返上することができました。

 

しかしながら、平成22年の交通事故死者数は依然として200人を超え、東京都と並んで全国ワースト1となり、致死率も全国平均の約1.8倍と未だに深刻な状況が続いています。この交通死亡事故のうち、最も多い事故類型は正面衝突であり、全体の19%を占めており、その割合は全国に比べ1.8倍に及びます。

 

全国の交通事故の実態とその対策

全国的に、中央分離帯がない郊外部2車線道路で正面衝突事故が多発しています。その対策として、2車線道路に中央分離帯を設けるためには、事故時の通行の妨げとならないように幅員の確保が必要となり、多額の設置コストが必要です。

 

また、特に高速道路の暫定2車線区間における正面衝突事故は大事故になりやすいことを受け、 平成27年11月に会計検査院から、暫定2車線の高速道路で死傷事故が多発していることに対して、国土交通省や高速道路各社に分離帯設置など安全対策検討の提言が出されました。

 

正面衝突事故の発生状況と課題

(国研)土木研究所寒地土木研究所では、新たな正面衝突事故対策手法として、2車線道路のセンターライン上に切削溝を配置するランブルストリップスの開発及び実用化を行いました。ランブルストリップスは、大きな正面衝突事故防止効果があることが確認されましたが、山間部の縦断勾配や平面線形などの道路線形が厳しい区間では、その効果が減少することが明らかになりました。

 

そこで、当研究所ではその対策として、ワイヤロープ式防護柵の導入の検討を行っています。

 

 

▲北海道では正面衝突の事故が多い

▲正面衝突事故対策手法として配置されたランブルストリップス

▲ワイヤロープ式防護柵
(写真:スウェーデン)

▲ワイヤロープ式防護柵
(写真:スウェーデン)

 

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