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システムの概要
冬期路面プローブ調査の概要

はじめに

道路管理者は、冬期の路面状態を基本的に目視で判断していますが、目視のみではすべりやすさを正確に判断することは難しく、また、我が国における冬期の路面状態は沿道環境、天候等によって複雑に変化します。そこで、冬期路面状態を客観的・定量的に評価するため、路面のすべり抵抗値を連続的に測定することが可能な「連続路面すべり抵抗値測定装置」を試験的に導入しました。本サイトでは、この装置を用いた冬期路面プローブ調査の概要及び効果的・効率的な冬期道路マネジメント手法の構築を目的とした冬期路面状態の定量的な評価ツールとしての活用可能性について紹介します。

連続路面すべり抵抗値測定装置とは

当研究所では平成18年に、連続的に路面のすべり抵抗値を測定可能な装置を導入しました。この装置は、米国のHalliday Technologies Inc.が開発した「Real Time Traction Tool(連続路面すべり抵抗値測定装置・通称:RT3™)」という装置です(写真1)。

【連続路面すべり抵抗値測定装置(通称:RT3™)を用いた測定状況】
写真1 連続路面すべり抵抗値測定装置(通称:RT3™)を用いた測定状況

連続路面すべり抵抗値測定装置は、測定輪を車両進行方向に対して1~2°程度の角度を与えることにより横方向に発生する力(横力)からすべり抵抗値を演算・出力します(図1)。
この装置によって算出されるすべり抵抗値は、Halliday Friction Number(HFN)と呼ばれ、当該装置の開発者が独自に設定したすべり抵抗値です。このHFNは、通常0~100の範囲で変化します。HFNと測定輪に掛かる横力には右図に示すような直線関係があり、測定輪に掛かる横力が低いほど、測定されるHFNも低くなります(図2)。
連続路面すべり抵抗値測定装置は、測定輪や搭載車両に制動を掛ける必要がないため、走行しながら連続して路面のすべり抵抗値を測定することが可能であり、測定の際には特別な操作(機器操作や走行速度維持等)を必要としないという利点を有します。また、測定されたすべり抵抗値は、車内でリアルタイムに確認できる他、ノートPCやGPSロガー等の外部記録装置に記録することもできます(図3)。
【測定装置のシステム構成図】
図1 測定装置の原理

【測定装置の原理】
図2 すべり抵抗値と(HFN)と横力の関係

【すべり抵抗値と(HFN)と横力の関係】
図3 測定装置のシステム構成図

冬期路面状態の把握

平成18年度・19年度の冬期間中において、札幌圏の一般国道にて連続路面すべり抵抗値測定装置を用いて自由走行による路面状態の把握試験を実施しました(写真2)。
 結果は、降雪の有無による路面状態の違いや時間経過による路面状態の変化をすべり抵抗値によって線的かつ定量的に把握することが可能であることを示しました(図4・図5)。
 以上の結果から、冬期の路面管理において当該装置を活用することにより、各種路面対策の効果把握や冬期道路管理サービスの目標設定の他、道路利用者への説明責任を果たすためのツールとしての役割を果たし、より効果的・効率的な冬期道路マネジメントの実現に資することが期待されます。
【札幌市内国道における路面のすべり抵抗測定状況】
写真2 札幌市内国道における路面のすべり抵抗測定状況

【すべり抵抗値と(HFN)と横力の関係】
図4 天候の違いによる路面状態の変化のサンプル図
(一般国道5・274号)【降雪なし】
【すべり抵抗値と(HFN)と横力の関係】
図5 天候の違いによる路面状態の変化のサンプル図
(一般国道5・274号)【降雪あり】

今後の展望

今後は、道路管理者との連携を通じ、注意が必要なすべり易い箇所の抽出、凍結防止剤等の散布効果のモニタリング(図6)等、冬期路面管理におけるすべり抵抗値の具体的な活用方法について提案するための検討を更に進めてまいります。
【WebGISを活用した冬期路面のすべり抵抗モニタリング(イメージサンプル)】
図6 WebGISを活用した冬期路面のすべり抵抗モニタリング
(イメージサンプル)

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