札幌市の年間累計降雪量(平年値)は約5m、積雪深の最大値は約1mに達しています。このような降積雪の影響や気温の低下により、冬期の道路交通状況は悪化します。当研究所では、タクシーの走行データ(GPSデータ)を蓄積しているタクシー会社(東邦交通(株))のご協力により、同データをプローブカーデータとして活用し、主として冬期に着目した札幌市内の道路交通特性の把握を試みています。走行データを蓄積しているタクシーの台数は115台、1日当たりの総走行距離は約4万kmに及んでいます。本調査により、各路線の様々な時間帯での平均旅行速度の把握が可能となります。
システムの概要
タクシーは、札幌市内を24時間、365日走行していますが、走行履歴として5秒間隔でGPSデータ(時刻、緯度、経度、方向、走行速度)を取得します。プローブカーデータ(GPSデータ)は、車載のカーナビゲーション上のデジタル道路地図(マップ)とマッチングされてからメモリーカードに記録され、日々、タクシー会社所有のPCに蓄積されます。その後、異常値の除外や再マップマッチング等の処理をした上で、寒地土木研究所所有の分析システムにより路線や区間の平均旅行速度の集計や分析を行い、GIS上の地図等に出力します。 |