RWML Working Group | RWML 0.80 |
2 一般的事項の記法および運用 |
2.1 場所 (place) |
2.1.1 地点 (point) |
2.1.1.1 緯度 (latitude) および経度 (longitude) |
2.1.1.2 高度 (altitude) |
2.1.1.3 地点名 (point name) |
2.1.2 路線 (route) |
2.1.2.1 路線名 (route-name) |
2.1.2.2 道路種別 (road class) |
2.1.2.3 有料種別 (toll) |
2.1.2.4 路線内位置 (route position) |
2.1.3 地域 (area) |
2.1.3.1 国名 (country) |
2.1.3.2 地域コード (region code) |
2.1.3.3 地域名 (area name) |
2.1.3.4 地域メッシュコード (mesh code) |
2.2 時間および期間 (time) |
2.2.1 日付および時刻 (date and time) |
2.2.2 「旬」および「頃」に関する拡張 (extension for ten days and approximate time) |
2.2.3 月単位週指定の拡張 (extension for the week of the month) |
2.2.4 時間長および期間 (time length and term) |
2.2.5 省略表記 (simplified notation) |
2.3 組織 (organization) |
2.4 個人 (person) |
2.4.1 氏名 (personal name) |
2.4.2 役職 (title) |
2.5 住所等連絡先 (contact) |
2.5.1 郵便番号 (zip-code) |
2.5.2 住所 (address) |
2.5.3 ハイパーリファレンスによる表記 |
2.6 日本語文字セットについて |
本章では一般的事項として, 場所, 時間, 組織, 個人および住所等連絡先の記法および運用について規定する。
場所に関する情報は, 点(地点), 線(路線), 面(地域)の3種類のいずれか, またはそれらの任意の組み合せによって表現される。
地点は緯度, 経度, 高度, 地点名で表現される。高度, 地点名は省略してもよい。対象となる地点に固有の名称が存在し, その名称を利用することが有用である場合には, 地点名を表記してもよい。緯度, 経度, 高度に関する測地系は, 国際地球基準座標系(ITRF系)に従うものとするが, その他の座標系を指定することも可能である。
緯度および経度は, 度単位もしくは度分秒単位で表現する。度単位の場合は, 符号付きの度で表し, 精度は最大で10-6度とする。度分秒単位の場合は, 符号付きの度, 分, 秒で表し, 精度は最大秒以下3桁とする。
緯度を度単位で表す場合, 赤道を0とし北極点を +90.000000, 南極点を -90.000000とする。 度分秒単位で表す場合は, 赤道が0, 北極点が +90,00,00.000南極点が -90,00,00.000となる。
同様に経度を度単位で表す場合, グリニッジ子午線を0とし東経180度を +180.000000, 西経180度を -180.000000とし, 度分秒単位で表す場合は, グリニッジ子午線を0, 東経180度を+180,00,00.000, 西経180度を -180,00,00.000とする。
いずれの場合も符号の+は省略してもよい。
例 : -41.500000 (度による表現) 141,30,00.0 (度分秒による表現)
高度は, 使用する測地系の基準より高い場合を + , 低い場合を - の符号を付けたm単位で表現する。 + の符号は省略してもよい。精度は最大で10-2mとする。
例 : 15.3 (15.3m)
地点の名称を任意の文字列で記述する。同一地点で, 通称名など複数の名称がある場合は, 属性で正式名(formal), 別名(alias), 通称名(popular)を指定して複数を記述することができる。
情報の対象となる路線を示す。路線は路線名称(道路名称), 道路種別および有料か無料かを示す有料種別を記述できる。道路種別および有料種別は記述しなくてもよい。路線内の位置および区間を, キロポストまたは地点名で表現することができる。区間の場合には, そこにつけられた名称で表現してもよい。それらが省略された場合は, 路線全線を指すことを意味する。
路線の名称を任意の文字列で記述する。正式名は高速道路においては路線名, その他一般道においては道路名称を示す。重用区間については, 号数の小さい方の路線名を用いる。バイパス等で同一路線に複数のルートがある場合は, 主道路/従道路と表記し区別する。また, 同一路線で通称名など複数の名称がある場合は, 属性で正式名(formal), 別名(alias), 通称名(popular)を指定して複数を記述することができる。
例 : 正式名 : 北海道縦貫自動車道 一般国道1号(藤枝バイパス) 別 名 : 道央道 藤枝バイパス
道路の種別を任意の文字列で記述する。種別には高速道, 自動車専用道, 国道, 都道府県道, 市町村道, その他(農道, 林道, 私道)の区分を用いる。
道路の有料, 無料の区別を文字列で記述する。以下の5分類を用いる。
(1) 有料 (すべての区間および時間帯で有料) (2) 時間有料 (一部時間帯で有料) (3) 区間有料 (一部区間で有料) (4) 時区間有料 (一部時間帯で一部区間が有料) (5) 無料 (すべての区間および時間帯で無料)
路線内位置は路線内の地点名またはキロポスト(KP値)を任意の文字列で表記する。KP値を用いる場合には単位(KP)を付加する。KP値は道路管理者によって識別子が付加される場合がある。
路線内の区間を指定する場合は, 路線内の地点名またはKP値をスラッシュ[/]で区切り記述する。 この場合[/]の左項から右項への方向を表す。 また, 路線内の特定区間につけられた名称を用いることができる。
例 : 15.0KP(15.0キロポスト地点) 5.7KP/小樽IC(5.7キロポスト地点から小樽ICまで) すずらん大通り(すずらん大通りの区間全体)
情報の対象となる地域を示す。地域は地域名, および都道府県コードもしくは市区町村コードで表現される。国名を記述してもよい。
地域はメッシュによる記述で規定する事ができる。ここでは標準規格に基づくメッシュコード(現時点ではJISによる地域メッシュコード)で表記する場合の表記法を規定する。それ以外の場合は, メッシュを特定できる定義情報を記述しなければならない。
国名はJIS X 0304(国名コード)の2文字国名コードを使用する。
例 : JP (日本)
都道府県および市区町村は, 地域コードとしてJISに規定される都道府県コード(2桁)とおよびこれに続く市区町村コード(3桁)の値を結合した5桁の数字で表記する。
例 : 地域コード : 01 (北海道) 01105 (北海道札幌市豊平区)
地域の名称を任意の文字列で記述する。同一地点で, 通称名など複数の名称がある場合は, 属性で正式名(formal), 別名(alias), 通称名(popular)を指定して複数を記述することができる。
地域メッシュコードは, 属性で規格名(std)を指定しなければならない(現時点では JIS-X0410-1976とする)。属性, コメント(comment)でそのコードに関する補足情報(地域名等)を任意の文字列で記述することができる。
独自に定めるメッシュを用いる場合は, メッシュの基準点と緯度方向と経度方向各辺(格子)の長さを規定したものを表現しなければならない。
例 : メッシュコード : 6441 規格名 : JIS-X0410-1976 コメント : 札幌近郊
時間および期間に関する情報は日付および時間を表す文字列により表記する。
暦日付及び地方時とUTC時との時差で表示する。
(1) 年月日 形式 : CCYY-MM-DD 例 1998-08-21 (2)年月日と時分秒および秒の小数部 形式 : CCYY-MM-DDThh:mm:ss.n±hhmm 例 1998-08-21T16:20:30.45+09:00
月単位での上旬, 中旬, 下旬および○○日頃, ○○時頃の表記方法を定義する。
[J] は旬による日付の表記の中で旬の記号を示す。[J]は指示記号[F],[M],[L]のいづれかで表記する。 [F]は上旬, [M]は中旬, [L]は下旬を示す。指示記号[A]は頃による日付, 時刻の表記の中で頃を示す数字の前に付して表記する。
(1) 年月における旬の指定 形式 : CCYY-MM-J 例 1998-08-F (1998年8月上旬) (2) 年月日における頃の指定 形式 : CCYY-MM-ADD 例 1998-08-A15 (1998年8月15日頃) (3) 年月日と時分における頃の指定 形式 : CCYY-MM-DDTAhh:mm±hhmm 例 1998-08-21TA16:30+09:00 (1998年8月21日16時30分頃)
「毎月第2土曜日」, 「8月最終日曜」などの月単位週指定の表現をするための表記方法を定義する。
指示記号[N]は日付表記が月単位週指定であることを示す。[n]はn回目, [w]は曜日を示す。[n]は[0]~[5]の数字または指示記号[L]で表し, [0]の場合は毎w曜日であることを示す。指示記号[L]の場合は最終n曜日であることを示す。[w]は[1]~[7]の数字で表し, 月曜日は[1]と表記し, これに続く曜日は昇順に番号を付け, 日曜日は[7]とする。
また, これら表記において日指定[MM]に数字[00]を指定する場合は毎月, 年指定[CCYY]に数字[0000]を指定する場合は毎年であることを示す。
(1) 第n週w曜日の指定 形式 : CCYY-MM-Nnw 例 1998-08-N26 (1998年8月第2土曜日) (2) 最終w曜日の指定 形式 : CCYY-MM-NLw 例 1998-12-NL1 (1998年12月最終月曜日) (3) 毎n曜日の指定 形式 : CCYY-MM-N0w 例 1999-02-N03 (1999年2月毎水曜日) (4) 毎月指定 形式 : CCYY-00-DD 例 1999-00-01 (1999年毎月1日) 形式 : CCYY-00-Nnw 例 1999-00-N17 (1999年毎月第1日曜日) (5) 毎年指定 形式 : 0000-MM-DD 例 0000-05-25 (毎年5月25日)
長さを持った時間として以下を定義する。
(1) 時間長および周期を規定する項目 継続期間により指定する。 形式 : PnYnMnDTnHnMnS 例 P2D (2日間または2日毎) (2) 期間を規定する項目 始点および終点によって指定する。 形式 : CCYYMMDDThhmmss/CCYYMMDDThhmmss 例 --12-01/--12-25 (12月1~25日) (3) 期限を規定する項目 最終日時を日付及び時刻で指定する。 形式 : ---/CCYYMMDDThhmmss 例 ---/1999-12-31 (1999年12月31日まで)
時間に関する記法では引用規格に準拠する範囲において上位省略表記および下位省略表記が可能である。 いずれの場合にも, 省略された数字または記号を示すハイフン[-]は指定されたとおりに使用する。
(1) 特定の月日 形式 : --MM-DD 例 --02-12 (ある年の2月12日) (2) 特定の日 形式 : ---DD 例 ---12 (ある年ある月の12日) (3) 特定の月 形式 : --MM 例 --02 (ある年の2月) (4) 特定の月週 形式 : --MM-Nnw 例 --02-N17 (ある年の2月第1日曜日) (5) 特定の時 形式 : Thh 例 T07 (ある日の7時) (6) 特定の時分 形式 : Thh:mm 例 TA07:30 (ある日の7時30分頃)
組織は組織の名称を表す任意の文字列により表記する。組織の階層は部門名列として表すものとする。下位部門の名称を表す任意の文字列をカンマ[,]で区切り最下位層まで表記することができる。
例 : 北海道開発局開発土木研究所 北海道開発局,開発土木研究所,道路部,防災雪氷研究室
個人は, 個人の氏名および職業または役職等をあらわすタイトルで記述する。いずれも省略可能で, 氏名を省略した場合は, 組織内の担当する役職で規定するものとする。
氏名を表す文字列により表記する。氏, 名の順で記述し, その間をスペース[ ]で区切る。ペンネームなど複数の名前がある場合は, 本名を正式名(formal), 芸名, ペンネーム等を別名(alias), 愛称等を通称名(popular)として指定し, 複数を記述することができる。
例 : 正式名 : 鈴木 一郎 別 名 : イチロー
役職は役職名を表す文字列により表記する。複数の役職を持つ場合は, これを複数表記することができる。
例 : ITS担当 ××課長
個人または組織への連絡方法を示す。複数の連絡先を持つ場合は, これを複数表記する。
郵便番号は3桁 + 4桁の計7桁で表す。
例 : 162-8602
住所は連絡先の所在地を表す文字列により表記する。
例 : 北海道札幌市豊平区平岸1条3丁目
電話番号, Fax番号, 電子メールおよびウェブサイトアドレスは属性[href]で表記し, 必要であれば, 名称等のコメントを記述できる。
電話およびFaxは電話番号を表す文字列により表記する。使用できる文字は数字およびプラス[+](国番号指定のみ), ハイフン[-], 右括弧[(], 左括弧[(]とする。
電子メールは連絡先の電子メールアドレスを表す文字列により表記する。
ウェブサイトはURIを絶対アドレスより表記する。
例 : href="tel:012(345)6789" href="fax:+81-12-345-6789" href="mailto:xxx@ceri.go.jp" href="http://www.ceri.go.jp/test/"
RWML では, XML 1.0 で定められる文字セット (Unicode 2.0, ISO 10646-1) を使用することができる。
ただし, 日本語に関しては特別な理由がある場合を除き, JIS X 0201 に規定される片仮名用図形文字 (半角カタカナ), および, JIS X 0208 に規定される数字・ラテン文字・特殊文字のうち JIS X 0201 にも規定されている文字 (全角英数字) は用いないようにすること。