雪氷チームの最近の記事

原田主任研究員が、2025年11月27日~28日に開催された令和7年度国土交通省国土技術研究会<イノベーション部門II>において、「優秀賞」を受賞しました。

 

■受賞論文のタイトル
 暴風雪・大雪時の災害デジタルアーカイブを用いた道路管理判断支援システムの試作

 

■著者名
 原田裕介・武知洋太・越國一九・松下拓樹

 

■概要
 本研究は、過去の暴風雪・大雪災害時の道路管理履歴情報(デジタルアーカイブ)と気象予測情報を統合し、冬期道路管理の判断支援システムを設計・試作したものです。
 気候変動に伴い自然災害の激甚化や頻発化する中で、生産年齢人口が減少しつつあります。このため、冬期道路管理の熟練者の経験に基づく暗黙知を適切に引き継ぐことが求められます。本研究では、北海道の国道を対象とした暴風雪・大雪時の災害デジタルアーカイブの要件整理と基本設計を行い、過去38冬期185事例の道路管理、気象、交通障害・災害の各履歴情報を収集して、デジタルアーカイブのデータセットを作成しました。
 このデータセットと暴風雪や大雪の評価技術(警戒レベル・障害度)を用いて、気象予測資料から暴風雪・大雪災害が想定される場合に、過去の類似事例を抽出する技術を開発し、交通障害の可能性を示す情報と併せて、想定される留意事項などを提示する道路管理判断支援システムを試作しました。また、2024年度冬期にこのシステムを道路管理者に試用いただき、そのフィードバックに基づく2025年度冬期試行に向けた改善方針を示しました。
 今後、暴風雪や大雪時の道路管理に有用なシステムとなるよう、さらなる改善を実施する予定です。

 

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■令和7年度国土交通省国土技術研究会 Webサイト
 → https://www.mlit.go.jp/chosahokoku/giken/

 2025年11月18日(火)に標津町の生涯学習センターあすぱるで開催された2025年度 雪氷防災研究講演会で、以下の講演を行いました。

 

・暴風雪事象と災害防止・軽減に向けた寒地土木研究所の取り組み:原田主任研究員

 

 ▲原田主任研究員の講演の様子(防災科学技術研究所 撮影

 

■2025年度 雪氷防災研究講演会 Webサイト

 → https://www.bosai.go.jp/seppyo/news/event/20251118_kouenkai.html

 第36回日本道路会議において発表した論文のうち、武知研究員の論文1編が、道路技術の向上と道路事業の促進に資するとして、「ポスター発表論文優秀賞」を受賞しました。

 

▲「ポスター発表論文優秀賞」を受賞した武知研究員

 

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■受賞論文のタイトル
 吹雪時の道路上における視程の推定手法と予測システムの試作

 

■著者名
 武知洋太・越國一九・原田裕介・大宮哲・松下拓樹

 

■概要
 本研究は、道路の風上の沿道環境などの違いを考慮した道路上の視程推定手法を考案して、吹雪視程予測システムを試作したものです。
 現在の「吹雪の視界情報」は、気象庁より発表された気象予測値を用いて、格子点(5kmまたは1km)毎の代表的な視程を予測しています。しかし、道路上の吹雪による視程障害の発生状況は、道路周辺の沿道環境や吹雪対策施設の有無などの違いによっても変化します。本研究では、道路上の視程の観測結果から、道路延長5kmの平均視程に対する道路延長50m内の視程の比を調査し、沿道環境毎に異なる比を用いることで道路上の視程を推定する手法を考案しました。
 この手法を用いて、一般国道275号(札幌市、江別市、当別町)をモデル路線とした予測システムを試作した結果、風上側の平坦地が長い区間や吹雪対策施設が整備されていない区間で周囲より視程が低く予測されるなど、道路上の50m毎の視程が予測可能になることを示しました。
 今後は、道路管理に求められる推定精度を把握して、予測精度のさらなる改善方策を検討していく予定です。

 

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■日本道路会議への発表論文などは、こちらをご参照ください。
 → https://www2.ceri.go.jp/news3/archives/000308.html
 → https://www2.ceri.go.jp/news3/archives/000318.html

気象学会2025年度秋季大会で発表しました

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2025年11月4日(火)~8日(土)に福岡国際会議場(福岡県福岡市)で開催された気象学会2025年度秋季大会に参加し、以下の発表を行います。


・地吹雪発生前後における雪面の微細地形の変化:菅原研究員

 

■気象学会2025年度秋季大会 Webサイト

 → https://sites.google.com/metsoc.or.jp/atm2025/home

 令和7年10月30日(木)に、札幌サンプラザで開催された「土研 新技術ショーケース 2025 in 札幌」において、原田主任研究員が「暴風雪・大雪の評価技術資料」と題した技術講演を行いました。

 

■開催日:2025年10月30日(木) 10時00分~17時00分
■会場 :札幌サンプラザ コンサートホール・ふれあい広場(札幌市北区北24条西5丁目)
■Web  :https://chouseikan.ceri.go.jp/web/event/detail.html?eid=756539593175&hid=

 

 

▲講演会会場の状況

 

▲原田主任研究員の発表状況(寒地土木研究所職員限定Web配信)

 10月15日(水)~17日(金)に、北九州国際会議場(福岡県北九州市)で開催された自動車技術会2025年度秋季大会 学術講演会で、以下の発表を行いました。


・吹雪における人の眼の視程を再現したカメラの露光時間:櫻井主任研究員

 

  

▲開催会場:北九州国際会議場          ▲会場案内看板

 

■自動車技術会2025年度秋季大会 学術講演会 Webサイト
 → https://gakkai-web.net/jsae/a/2025/program/index.html

2025年9月29日(月)~10月4日(土)に、アイスランド・イーサフィヨルズルで開催された、雪崩緩和対策に対するシンポジウム(SNOW2025: International Symposium on Mitigation Measures against Snow Avalanches and other Rapid Gravity Mass Flows)で、雪氷チームからは以下の発表を行いました。

 

・Engineering Approaches to Avalanche Mitigation in Japan: Current Status, Challenges, and Future Perspectives

(日本における雪崩対策の工学的アプローチ:現状、課題、将来展望):原田主任研究員

 

 

 研究発表会会場              発表ポスター

 

■雪崩緩和対策に対するシンポジウム(SNOW2025) Webサイト
 → https://snow2025.is/

 2025年9月8日(月)から9月12日(金)まで、熊本大学および熊本城ホール(熊本県熊本市)で開催された土木学会全国大会で以下の発表を行いました。

 

・暴風雪・大雪時の災害デジタルアーカイブを用いた道路管理の判断支援システムの試作:原田主任研究員

 

▲原田主任研究員の発表状況

 

■令和7年度全国大会 第80回年次学術講演会Webサイト

 → https://committees.jsce.or.jp/zenkoku/gaiyo/top

気象学会2025年度秋季大会で発表します

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 2025年11月4日(火)~8日(土)に、福岡国際会議場(福岡県福岡市)で開催される気象学会2025年度秋季大会で、以下の発表を行います。


・地吹雪発生前後における雪面の微細地形の変化:菅原研究員

 

■気象学会2025年度秋季大会 Webサイト

 → https://sites.google.com/metsoc.or.jp/atm2025/home

雪氷チームの櫻井主任研究員が、日本雪氷学会の論文誌「Bulletin of Glaciological Research (BGR)」に2024年に発表した論文が、日本雪氷学会「論文賞」を受賞し、雪氷研究大会(2025・津)において表彰されました。

 

▲「論文賞」を受賞した櫻井主任研究員

 

▲「論文賞」表彰式の状況

 

▲受賞記念講演の様子

 
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■受賞論文のタイトル

 A snow melting behaviour on hydrophilic surface from femtosecond laser-induced periodic surface structures fabricated on galvanized steels
 (フェトム秒レーザーを利用した亜鉛めっき鋼板の微細構造による親水性表面の融雪の振る舞い)
 → https://doi.org/10.5331/bgr.24A04
 

■著者名

 櫻井俊光・染川智弘・松下拓樹

 

■概要
 本稿は、道路構造物への着氷雪を防ぐ技術開発に向けて、金属表面にフェトム秒レーザーを照射することで撥水面が形成されることを報告した先行研究に着目し、道路構造物に利用される亜鉛めっき鋼板へのレーザー加工とその性能評価を実施したものです。
 二種類の亜鉛めっき鋼板にレーザーを照射したところ、想定通り表面が撥水性を示すようになりました。
 冬期の北海道でレーザー処理を施した亜鉛めっき鋼板を屋外に設置し、雪氷の付着特性と耐久性を2ヶ月間試験したところ、鋼板表面の撥水性が失われ、場合によっては親水性が高い状態へと変化することが確認されました。更に野外試験を続けたところ、当初の予想に反して親水性を持った鋼板表面が雪の付着を防ぐ可能性が示されました。

 受賞理由では、当初の想定とは異なる形で、雪や氷の付着を防ぐ新しい技術を見出した点や、レーザー照射という新規性の高い加工手法に冬期の屋外における長期試験などを組み合わせ、独自性の高い研究を実施した点が評価されました。

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