寒地土木研究所
第17回寒地道路連続セミナー「吹雪研究の最近の話題」を開催しました。


 寒地土木研究所寒地道路研究グループでは、寒地道路に関する様々な課題について行政やコンサルタントの専門家や技術者、また大学や他研究機関の方々との情報交換及び意見交換の場として寒地道路連続セミナーを開催しています。
 今回(7/12)は、第17回目の開催であり、「吹雪研究の最近の話題」と題して、雪氷チームの松沢総括主任研究員の学位論文「吹雪時の視程推定手法とその活用に関する研究」の講演に加え、北海道立北方建築総合研究所の堤拓哉氏と防災科学技術研究所雪氷防災研究センター新庄支所の根本征樹氏から、最近の吹雪研究に関する話題について講演いただきました。

第17回寒地道路連続セミナーのプログラムなどについては
こちら → http://www2.ceri.go.jp/news/archives/000300.html

 講演では、始めに、当所松沢より「吹雪時の視程推定手法とその活用に関する研究」と題して、吹雪時の安全性や安心感の向上のため、容易に入手できる気象データから吹雪時の視程を推定する手法の開発を行い、その手法を活用して広域での吹雪情報(視程情報)を提供するシステムの試作についての報告を行いました。次に、実際にドライバーに吹雪情報を提供し、冬期道路の安全性や安心感の向上に与える効果について報告を行いました。
 続いて、防災科学技術研究所雪氷防災研究センター新庄支所の根本征樹氏より「吹雪の数値シミュレーションに関する最近の話題」と題して、吹雪の数値シミュレーションに関する最近の研究例をご紹介いただき、乱流拡散理論を用いた吹雪の数値モデルに関する簡潔なレビューを行なうとともに、それらをベースに発展した最近のモデルの特徴をご紹介いただきました。 また、これらのオイラー的な解析法によるモデルに加えて、おもに基礎研究に用いられることが多いラグランジュ的モデル(個々の吹雪粒子の運動を計算するモデル)の内容も解説していただき、 このタイプのモデルがふきだまり予測などの実用問題に用いられている例などについてもご講演を頂きました。
 さらに、北海道立北方建築総合研究所の堤拓哉氏より「吹雪の風洞実験の最近の話題」と題して、積雪寒冷地における道路整備において、吹雪による吹きだまりおよび視程障害の対策は重要な検討事項であり、模擬雪を用いた風洞実験について、吹雪による諸問題を検討するための有効な方法として、国内外で広く実施されているが、技術的な課題も数多く残されている旨のご報告をいただき、吹雪を対象とした風洞実験について最近の話題を紹介すると共に、今後の展望についてご講演いただきました。

 今回のセミナーには、北海道開発局、北海道庁、民間コンサルタントなどから、約60名の参加をいただきました。ご多忙の中、セミナーに参加いただいた方々には大変ありがとうございました。


小笠原グループ長の開会挨拶
▲小笠原グループ長の開会挨拶
松沢総括主任研究員の講演状況
▲松沢総括主任研究員の講演状況
防災科学技術研究所 根本氏の講演状況
▲防災科学技術研究所 根本氏の講演状況
北海道立北方建築総合研究所 堤氏の講演状況
▲北海道立北方建築総合研究所 堤氏の講演状況
セミナーの開催状況(その1)
▲セミナーの開催状況(その1)
セミナーの開催状況(その2)
▲セミナーの開催状況(その2)


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