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寒地ITSワークショップ(兼第10回寒地道路連続セミナー)を開催しました


 平成17年8月30日(火)に、北海道ITS推進フォーラムとの共催で寒地ITSワークショップ(兼第10回寒地道路連続セミナー)を開催しました。今回のワークショップでは、“セカンドステージに向けた地域のITS”をテーマに、積雪寒冷地の視点から地域のITSについて幅広い議論を行いました。

 寒地ITSワークショップの議事次第はこちら
 → http://www2.ceri.go.jp/mt_test/archives/000206.html

 基調講演では、室蘭工業大学の田村亨教授から「北海道ITSの方向性」と題して、「みちを使いこなすITS」と「北海道において求められるITS機能」についてご講演いただきました。ITS開発がシーズ指向から公益指向へ転換が進む中、「みちを使いこなすITS」として社会基盤の視点から見てITS開発のどこに重点をおくべきか、また、「北海道において求められるITS機能」として交流人口増加を支援するITS、持続的発展を支えるITS、救命救急医療を支えるITS、「使える道路」へと育ててゆくために必要な道路機能、道路構造、運用の提案についてのお話をいただきました。 → 配布資料pdf(0.3MB)

 また話題提供では、NPO法人青森ITSクラブ事務局長の葛西章史氏から「"NPOが挑戦する地域ITS コミュニティビジネスに育てられるか" 青森ITSクラブの取り組み」と題して、全国初のITS関連NPO法人の設立経緯やNPOのメリット、活動状況、NPOの課題等ついてご講演いただきました。活動内容の紹介として、NPO的ビジネスモデルのバスロケーションシステムや交通情報と商店街情報を組み合わせて提供する「わがまちかど情報青森」等、地域に密着した情報発信と継続的な事業運営の取り組み状況について、また、今後の活動として、NPOの中立的立場を活かした行政・企業・市民によるパートナーシップ除排雪情報提供事業等についてお話をいただきました。→ 配布資料pdf(0.3MB)

 次に、第1セッション「行政・研究機関からの発表」では、
 北海道運輸局交通環境部消費者行政課専門官の城賢次氏から「公共交通情報提供実験について」と題し、平成17年2月に実施した、道内6都市間の都市間バスとJRの「列車運行情報」を提供する「公共交通情報提供実験」について、情報収集の仕組みや情報内容、実験サイトのアクセス数、利用者アンケートの結果から実験システムの評価や今後の交通に関する情報提供のあり方等についてご講演いただきました。→ 配布資料pdf(0.8MB)
     
 北海道開発局建設部道路計画課開発専門官の田村桂一氏から「外国人観光客を対象としたレンタカー・プローブ調査(中間報告)」と題し、シンガポールからの来道したレンタカーによる「ドライブ観光」の観光客の周遊状況やアンケート結果から来道前の情報入手方法・入手困難な情報・情報ニーズやドライブ観光に関する改善要望点、海外からの来訪者に対するITS分野の展開可能性についてご講演いただきました。→ 配布資料pdf(0.9MB)
      
 北海道建設部道路計画課道路計画グループ主査(雪寒・防災)の縄田健志氏から「知床世界遺産登録に伴う情報発信について」と題し、知床の海洋生態系と陸上生態系の相互作用や環境や生物の多様性、「知床ルール」づくりや自然環境保護、利用適正化の取り組み状況、今後の観光客の増加に対応した標識の多言語化やアクセスルートの整備、道路情報提供装置の充実の取り組み予定についてご講演いただきました。→ 配布資料pdf(0.7MB)
     
 当所道路部防災雪氷研究室副室長の松沢勝から「冬期道路の高度情報提供システムのフィールド実験」と題し、吹雪による視程障害の影響、情報提供により事前に吹雪を回避させる「吹雪の広域情報提供サービス」の実験内容や情報提供による行動変更・不安感の低減効果、吹雪に巻き込まれた時に多重衝突事故の発生を防止する「路側情報提供サービス」の実験内容や注意喚起による走行速度の変化、ヒアリングによる多重事故防止への効果について講演しました。→ 配布資料pdf(0.6MB)


 さらに、第2セッション「民間企業からの発表」では、
 (株)シー・イー・サービス企画開発部長の正岡久明氏から「交通事故の瞬間を捉える技術とその応用」と題し、交通事故の衝突音やブレーキ音等を識別し、"音"発生前後の画像データを保存するシステムTAAMSの内容と事故映像を活用した交通事故対策や注意喚起、救急車両の出動判断への提案についてご講演いただきました。→ 配布資料pdf(0.5MB)
      
 富士通(株)ITS事業本部プロジェクト課長の田村寿仁氏から「寒地道路における走行環境情報の収集・活用に関する一考察」と題し、ミリ波センサーを活用した交通量計測機能と視程障害時の多重衝突事故誘発要因の検知機能を有する実験システムについて、ミリ波センサとループ式トラカンの比較による交通量計測結果や路面積雪の有無による視程不良時の速度変化による事故誘発要因の検証結果についてご講演いただきました。→ 配布資料pdf(0.8MB)

      
 (財)日本気象協会北海道支社技術部情報開発課の岡村智明氏から「携帯電話への新しい配信型サービスと気象情報」と題し、利用者に画像や写真、地図、カラー等のわかりやすいビジュアルな情報を配信する、新しいコンテンツ配信型サービスにより緊急情報を視覚に訴える効果的な情報配信や観光情報・寒冷地の道路情報に対する新たな情報提供サービスの可能性についてご講演いただきました。→ 配布資料pdf(0.8MB)    

 本ワークショップには、行政機関や研究機関、民間企業等から約140名のご参加をいただきました。大変ありがとうございました。



北海道開発土木研究所 相馬道路部長セミナー開催状況
▲開会挨拶 北海道開発土木研究所 相馬道路部長(左写真)    セミナー開催状況(右写真)
室蘭工業大学建設システム工学科 田村教授NPO法人青森ITSクラブ 葛西事務局長
▲基調講演 室蘭工業大学 田村氏(左写真)         話題提供 青森ITSクラブ 葛西氏(右写真)
北海道運輸局交通環境部消費者行政課 城専門官北海道開発局建設部道路計画課 田村開発専門官
▲第1セッション 北海道運輸局 城氏(左写真)       北海道開発局 田村氏(右写真)
北海道建設部道路計画課道路計画グループ 縄田主査北海道開発土木研究所 松澤
▲第1セッション北海道建設部 縄田氏(左写真)       北海道開発土木研究所 松澤(右写真)
(株)シー・イー・サービス企画開発部 正岡部長富士通(株)ITS事業本部プロジェクト 田村課長
▲第2セッション (株)シー・イー・サービス 正岡氏(左写真)   富士通(株)ITS事業本部 田村氏(右写真)
(財)日本気象協会北海道支社技術部情報開発課 岡村氏 
▲第2セッション (財)日本気象協会北海道支社 岡村氏


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