雪崩に関する基礎情報

雪崩はなぜ起こるのか

雪崩とは?

 雪崩とは、「斜面上にある雪や氷の全部、または一部が肉眼で識別できる速さで流れ落ちる現象」を指します。(日本雪氷学会「雪と氷の辞典」)

雪崩のすがた

 一般的に雪崩は積雪が崩れて動き始める「発生区」と、発生した雪崩が通る「走路」、なだれ落ちた雪が堆積する「堆積区」からなります。

 また雪崩によって堆積した雪を「デブリ」と呼びます。

 除雪管理されている道路は、雪崩の発生区ではなく、走路や堆積区にあたり、雪崩発生が交通に障害を及ぼすこともあります。

雪崩はどうして起こるのか

 斜面に積もった雪は、

  • 重力により落下しようとする力
  • 地面との摩擦力
  • 雪粒同士の結合力
がつり合って支えられています。

 大雪によって積雪の落下しようとする力が大きくなったり、人や動物が斜面を横切って雪粒同士の結合力を弱めてしまったりすることで、つり合いが崩れて雪崩が発生します。

 日射や気温の上昇や降雨で雪が融けた時にも、雪粒同士の結合力や地面との摩擦力が弱くなることで雪崩が発生します。

表層雪崩:

 雪粒同士の結合力が弱い層(弱層)が形成されると、弱層の上に積もった雪が滑り落ちる表層雪崩が発生しやすくなります。

 はっきりとした弱層が見られなくても、滑り落ちる面が積雪の中にある場合は表層雪崩に分類されます。

 短時間に大量の降雪があった場合にも、新しく積もった雪が崩れて、表層雪崩が発生しやすくなります。

全層雪崩:

 融雪や降雨によって積雪と地面の間に水が入るなど、積雪と地面との間の摩擦力が弱まったときに、積雪が全て滑り落ちる全層雪崩が発生します。