雪崩に関する基礎情報
厳冬期の雪崩
気温の低い厳冬期には、一度に多量に積もった新雪がその重みで崩れたり、古い積雪面から新雪が滑り落ちて、表層雪崩が発生しやすくなります。
表層雪崩の特徴の一つに、前兆現象がないということが挙げられます。そのため厳冬期のドライブでは、短時間に強い降雪が続いている時や大雪の後には特に注意しましょう。
グラフは、厳冬期の雪崩が起きやすい時の典型的な降雪量と気温の傾向を示しています。
融雪に伴う雪崩
春先に気温が上昇すると、雪解け水や降雨で積雪と地面との摩擦が小さくなり、斜面の積雪全体が崩れる全層雪崩が発生することがあります。
全層雪崩は、雪しわと呼ばれる積雪面のしゅう曲や、雪の塊が崩れ落ちてくるという前兆現象を伴うことがあるため、ドライブ中にこのような現象を見かけたら注意しましょう。また、全層雪崩は厳冬期であっても、暖気や降雨が続くと発生することがあります。
- 日中の気温がプラスになる
- 積雪深が減少している
- 降雨がある
気象庁「なだれ注意報」と雪崩による通行止めについて
気象庁から発表される注意報・警報の発表基準は、地域の気候にあわせ定められています。
北海道・青森・新潟で、大雪警報、なだれ注意報について、発表基準を比べてみました。地域によって、なだれ注意報の発表基準も大きく違うことがわかります。
気象庁が、「重大な災害が起こるおそれのあるときに警戒を呼びかけて行う予報」を警報と呼び、「災害が起こるおそれのあるときに注意を呼びかけて行う予報」のことを注意報と呼びます。
道路の「通行止め」は、各道路を管理している現場での判断で実施されます。道路管理の現場では、道路利用者が安心して走行できるように、日々道路パトロールなどを実施しています。気象庁発表の情報や現地パトロールの状況等を参考にしつつ、「なだれ」の恐れのある場合は、安全のため前もって「通行止め」を実施する場合もあります。
「峠を越えようと思ったら通行止めだった・・・」とならないように、山間部を運転の際は、事前の気象情報・交通情報の入手を心がけましょう。