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櫻井主任研究員が日本雪氷学会「論文賞」を受賞

雪氷チーム : 2025年9月16日

雪氷チームの櫻井主任研究員が、日本雪氷学会の論文誌「Bulletin of Glaciological Research (BGR)」に2024年に発表した論文が、日本雪氷学会「論文賞」を受賞し、雪氷研究大会(2025・津)において表彰されました。

 

▲「論文賞」を受賞した櫻井主任研究員

 

▲「論文賞」表彰式の状況

 

▲受賞記念講演の様子

 
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■受賞論文のタイトル

 A snow melting behaviour on hydrophilic surface from femtosecond laser-induced periodic surface structures fabricated on galvanized steels
 (フェトム秒レーザーを利用した亜鉛めっき鋼板の微細構造による親水性表面の融雪の振る舞い)
 → https://doi.org/10.5331/bgr.24A04
 

■著者名

 櫻井俊光・染川智弘・松下拓樹

 

■概要
 本稿は、道路構造物への着氷雪を防ぐ技術開発に向けて、金属表面にフェトム秒レーザーを照射することで撥水面が形成されることを報告した先行研究に着目し、道路構造物に利用される亜鉛めっき鋼板へのレーザー加工とその性能評価を実施したものです。
 二種類の亜鉛めっき鋼板にレーザーを照射したところ、想定通り表面が撥水性を示すようになりました。
 冬期の北海道でレーザー処理を施した亜鉛めっき鋼板を屋外に設置し、雪氷の付着特性と耐久性を2ヶ月間試験したところ、鋼板表面の撥水性が失われ、場合によっては親水性が高い状態へと変化することが確認されました。更に野外試験を続けたところ、当初の予想に反して親水性を持った鋼板表面が雪の付着を防ぐ可能性が示されました。

 受賞理由では、当初の想定とは異なる形で、雪や氷の付着を防ぐ新しい技術を見出した点や、レーザー照射という新規性の高い加工手法に冬期の屋外における長期試験などを組み合わせ、独自性の高い研究を実施した点が評価されました。

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