令和5年度「第39回 寒地技術シンポジウム」にて原田裕介主任研究員が「寒地技術賞(計画部門)」を受賞しました
雪氷チーム : 2023年12月 1日
令和4年度に、当チーム原田主任研究員が発表した「暴風雪および大雪のハザードマップの開発」と題した研究論文が、寒地技術開発の向上に資することが評価され 「寒地技術賞(計画部門)」を受賞し、今年11月の第39 回会場において表彰されました。
■受賞論文の概要
本研究論文は、暴風雪および大雪について、その発生頻度や地域性を把握するためのハザードマップを開発した過程とその特徴について示したものです。
ハザードマップの開発目的は、今後の道路計画や維持管理の判断支援材料として活用してもらうことであり、道路管理者や道路利用者が「計画段階」でリスク把握などへ活用を想定した"静的"なハザードマップを対象としています。
本解析では、気象庁による全球再解析JRA-55データを力学的にダウンスケーリングした50年分のDSJRA-55データのほか、30年分のAMeDASデータを用い、風速・気温・降雪強度・積雪深等から、吹雪の激しさの指標の1つである、時間降雪量や吹雪量等を面的に計算しました。
ハザードマップの表現方法として、①ひと冬の累計吹雪量や降雪量の平均値などの物理量、②24時間吹雪量・降雪量の既往最大値と冬期累計吹雪量・降雪量の平均値との比など、複数の要素を組合せたもの、③複数の要素を組合せた危険度を5つの階級に分けたもの、の3パターンについて示し、その特徴について整理したほか、想定される用途や活用方法について示しました。