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齊田研究員、大宮研究員が日本道路会議「ポスター発表論文優秀賞」を受賞
寒地道路研究グループ : 2023年11月13日
第35回日本道路会議にて、寒地道路研究グループより発表した論文のうち、齊田研究員と、大宮研究員の2編が、道路技術向上に資すると評価され、「ポスター発表論文優秀賞」を受賞し、今年11月の発表会場において表彰されました。
▲「ポスター発表論文優秀賞」表彰式会場の状況:写真左より、齊田研究員、大宮研究員
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■受賞論文のタイトル
AI画像認識技術を用いた路面すべり摩擦係数推定手法の精度検証~冬期の首都高速道路を対象として
■著者名
齊田光・大廣智則・髙橋要一・柳瀬匡雄
■概要
本研究の目的は、交通障害の原因となる、すべりやすい路面の出現状況を把握することで、効果的な除雪や、通行止めの開始・解除タイミングの適正化に資することです。
本稿では、車載カメラとAI画像認識技術を組み合わせた、路面すべり推定手法を用いることで、冬期路面のすべりやすさを把握可能であるか検証を行いました。
データ解析手法を示すと同時に、「路面状態計測車両」を用いて、すべり摩擦係数を計測した実測値との比較を行いました。
結果、首都高速道路(株)が維持管理する路線で、冬期路面のすべり摩擦係数を、安価で高精度に推定できる可能性を有することが明らかとなりました。
今後は、学習用データの追加やアルゴリズム改良などを行い、路面すべり推定AIの推定精度や、頑健性の向上を目指す予定です。
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■受賞論文のタイトル
気象レーダを用いた吹雪時の視程推定~視程急変予測情報の社会実装を見据えて
■著者名
大宮哲・松下拓樹・菅原邦泰・西村敦史・大久保幸治
■概要
本研究の目的は、国土交通省北海道開発局が整備している、レーダ雨量計「XバンドMPレーダ」による観測データを活用し、吹雪による視界不良発生を予測することです。
本稿では、気象データの解析手法を示すと同時に、石狩吹雪実験場に設置した「透過型視程計」での実測値との比較を行いました。その結果、「XバンドMPレーダ」の計測データから演算を行った視程と、「透過型視程計」での実測値を比較したところ、相関係数0.67を示し、データ解析手法の正当性が証明されました。
さらに、事例解析として、路線番号E5北海道縦貫自動車道のうち、道央自動車道:美唄市光珠内での多重衝突事故発生時の気象データを演算した結果、多重衝突事故発生直前は、計算上、視程が100m以下に低下していたことが明らかとなりました。
今後は、社会実装を目指し、より汎用性の高い視程推定アルゴリズムへの改良や、リアルタイム情報提供システムの構築に向けた検討を行う予定です。
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■日本道路会議への発表論文なとは、こちらをご参照ください。
→ https://www2.ceri.go.jp/news3/archives/000179.html
→ https://www2.ceri.go.jp/news3/archives/000184.html