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【北の道リサーチニュース:第8号(2004年5月)】
" 寒地道路のリサーチセンター"
独立行政法人北海道開発土木研究所道路部 発行 http://www2.ceri.go.jp/jpn/
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■道路部ニュース
01:TRB除雪と雪氷対策に関する国際シンポジウムで発表予定(交通・防災雪氷研
究室)
02:コスト構造改革担当者会議に出席しました(維持管理研究室)
03:土木学会北海道支部研究発表会の支部奨励賞を受賞しました(交通研究室)
04:北海道開発局技術研究発表会で局長賞・協会長賞を受賞 (維持管理・交通研究室)
■研究紹介
05:(報文)北海道における密粒度アスコン13Fの表層混合物としての適用に関する研究
06:(報文)交通行動の中止を考慮した災害時における交通ネットワークモデルを用い
た有珠山噴火による道路途絶に伴う影響算定
07:(技術資料)路上工事における交通規制の経済的影響評価
■北の道ナビニュース
■道内・国内・海外ニュース
■北の道コラム:「感性工学と地域づくり」
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■道路部ニュース
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01:TRB除雪と雪氷対策に関する国際シンポジウムで発表予定(交通・防災雪氷研
究室)
http://www2.ceri.go.jp/mt_test/archives/000106.html
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TRB(全米運輸研究会議)の主催する標記のシンポジウムが6月7~9日に米国ワシ
ントン州スポケインで開催されます。道路部からは、高機能吹き払い柵の開発など7
件の発表を予定しています。また、この会議にあわせて、ワシントン州道路局での意
見交換も予定しています。
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02:コスト構造改革担当者会議に出席しました(維持管理研究室)
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5月10日に開催されたコスト構造改革担当者会議(北海道開発局道路建設課主催)に出
席し、コスト縮減に関する最新の研究成果を発表しました。会議では開発局本局、開
発建設部、開土研の担当者が各々の取組状況を説明し意見交換や議論が交わされまし
た。維持管理研究室からは、舗装の設計手法の見直し(設計CBR、置換厚、設計期間20
年断面)や改質Ⅱ型などの高耐久性舗装の採用により、ライフサイクルコスト縮減に
つながる事を紹介しました。今後も引き続き積極的な取組みが必要な課題であり、コ
スト縮減に役立つ研究成果を考えて行きたいと思っています。
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03:土木学会北海道支部研究発表会の支部奨励賞を受賞しました(交通研究室)
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交通研究室の平澤匡介主任研究員が土木学会北海道支部の平成15年度土木学会支部奨
励賞を受賞しました。発表論文名は、「北海道におけるランブルストリップスの導入
(その1)-正面衝突事故対策としての開発について-」です。共著者は、高田研究
員、浅野室長、斎藤室蘭工業大学教授の3名です。
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04:第47回北海道開発局技術研究発表会で局長賞・協会長賞を受賞 (維持・交通研究室)
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16年2月に開催された第47回北海道開発局技術研究発表会で発表した論文が、内容優
秀であるとして表彰を受けました。
局長賞 「積雪寒冷地における舗装のライフサイクルコスト分析」
清野、岳本、石田 (維持管理研究室)
http://www3.ceri.go.jp/monthly0401/04_01_03.htm
協会長賞「交通事故分析システムの開発について」
平澤、高田、浅野 (交通研究室)
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■研究紹介
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05:(報文)北海道における密粒度アスコン13Fの表層混合物としての適用に関する研究
維持管理研究室:丸山、岳本、安倍
http://www3.ceri.go.jp/monthly0404/04_04_03.htm
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スパイク規制や車両の大型化等の交通条件の変化に対応した舗装表層混合物として、
密粒度アスコン13Fの適用可能性を検証した。耐凍結融解性、耐摩耗性を低下させる
ことなく耐わだちぼれ性を高める事が明らかとなった。試験施工からも北海道での
適用が可能である事がわかった。
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06:(報文)交通行動の中止を考慮した災害時における交通ネットワークモデルを用いた
有珠山噴火による道路途絶に伴う影響算定
交通研究室:高橋、浅野 北海道大学:内田、加賀屋
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本稿は、災害時における交通行動モデルを構築し、有珠山噴火に伴う通行規制による
損失を試算した結果を報告するもの。災害等による通行止めが発生した場合、旅行時
間の増大の程度によっては交通行動を取り止める道路利用者もいると考えられる。当
該モデルは、旅行時間の増大によって交通行動を取り止める場合も考慮することで、
旅行時間の増大による損失と、交通行動を中止することによる機会損失が同時に推計
されることが特徴である。
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07:(技術資料)路上工事における交通規制の経済的影響評価
維持管理研究室:石田、岳本
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舗装のライフサイクルコスト分析で重要となる道路利用者費用のうち、路上工事の
交通規制によって発生する費用を、実際の規制箇所で計測したデータをもとに試算し
交通規制の経済的影響評価の考え方を解説した。
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■北の道ナビニュース http://northern-road.jp/navi/(携帯版:http://n-rd.jp/)
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・北の道ナビ【距離と時間検索】の詳細検索版“ベータ版”公開
(出発地・目的地の選択が、主要都市のほか、観光地等、道の駅まで
きめ細かく検索できるようになりました。)
北の道ナビ【距離と時間検索】
(検索部分の右上、“新登場!詳細検索”というボタンを押してください)
・北の道ナビ【距離と時間検索】が「道の駅」の道路情報提供端末で利用可能に!
(インターネットでも、「道の駅」道路情報提供端末と同じ画面を見ることが
できます。)
北海道開発局「道の駅」情報提供システム
※北の道ナビは、北海道内の道路情報を総合案内するサイトで、北海道開発局をは
じめとする道内主要道路管理者で構成する「北海道道路情報化研究会」の監修のも
と、北海道開発土木研究所が運営を行っています。
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■道内・国内・海外ニュース
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[道内]
・北海道ITS推進フォーラム講演会
(5月24日14:40-16:30:札幌市男女共同参画センターホール;札幌市北区北8条西3丁
目札幌エルプラザ内)
「ITSに係る最近の技術について」をテーマに、大阪市立大学内田助教授「IDタ
グを利用した観光情報等の提供(仮題)」、総務省東海総合通信局梅原電波管理部
長「電波を利用した「道の駅」の発展的機能に関する研究(仮題)」、(株)アル
プス社、制作本部山口製品企画部長「QRコードの活用事例(仮題)」の講演
http://www.hokkaido-its.jp/ (問い合わせ:011-232-4848(金村))
・北海道工業大学・北海道立北方建築総合研究所「シンポジウム・今冬を振りかえり
都市の豪雪対策を考える」
(5月28日13:30-16:30:北方建築総合研究所 多目的ホール;旭川市緑が丘東1条3丁
目1番20号)、(独)防災科学技術研究所長岡雪氷防災研究所佐藤新庄支所長「吹
雪の発生メカニズムと主な障害について」、鹿島建設(株)技術研究所本郷上席研
究員「高層建築物で発生するビル風と吹雪害との関わり」の基調講演、パネルディ
スカッション(★加治屋防災雪氷研究室長もパネラーとして参加)
http://www.hri.pref.hokkaido.jp/(問い合わせ:0166-66-4211(高橋))
・第7回寒地開発に関する国際シンポジウム<ISCORD>
(9月13~17日:札幌市教育文化会館;札幌市中央区北1条西13丁目)
会議登録料の早割は6月30日まで
http://www.iscord2004.com/ (問い合わせ:011-271-3028)
・日本雪氷学会北海道支部研究発表会(7月1日:北大学術交流会館)
6月7日まで(題目、発表者名、連絡先、要旨(250字以内)を事務局
nsdkanji@lowtem.hokudai.ac.jpへ(問い合わせ:011-272-3540:大槻)
[国内]
・第29回土木計画学研究発表会(春大会)(6月5・6日:神戸)
http://www.jsce.or.jp/committee/ip/
・平成16年度土木学会全国大会(9月8~10日:豊田)
http://www.jsce.or.jp/
・2004年度日本雪氷学会全国大会(9月27~30日:彦根)
http://www.seppyo.org/
→発表申し込み〆切 7月28日
・第3回ITSシンポジウム2004(10月20日:名古屋)
http://www.iijnet.or.jp/vertis/sinpo-top.html
・第24回交通工学研究発表会(11月11~12日:東京)
http://www.jste.or.jp/Event/happyo24.pdf
・第21回日本雪工学会大会(11月15~17日:長岡)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsse5/index.html
→発表申し込み〆切 6月25日(論文〆切 8月30日)
・第30回土木計画学研究発表会(秋大会)(11月21~23日:宇部)
http://www.jsce.or.jp/committee/ip/index.htm
→発表申し込み〆切 7月1日
[海外]
・第6回TRB除雪と雪氷対策技術に関する国際シンポジウム(2004年6月7~9日米国開催)
http://www.trb.org/Conferences/Snow/
・第12回SIRWEC国際道路気象会議(2004年6月16~18日ドイツ開催)
http://www.sirwec.org/
・第11回ITS世界会議(10月18~22日:名古屋)
・第84回TRB年次総会(2005年1月9-13:米国ワシントンDC)
http://www4.trb.org/trb/annual.nsf
→論文〆切 2004年8月1日
・第12回PIARC国際冬期道路会議(2006年3月27~30日イタリア開催)
http://www.piarc.org/site/en/index.htm
→アブストラクト提出〆切 2004年6月
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※北の道ナビは、北海道内の道路情報を総合案内するサイトで、北海道開発局をは
じめとする道内主要道路管理者で構成する「北海道道路情報化研究会」の監修のも
と、北海道開発土木研究所が運営を行っています。
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■北の道コラム
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感性工学と地域づくり
「感性を磨く」「感性を豊かにする」など人の心の豊かさを示す言葉「感性」があり
ます。感性というと、「感受性」を思い浮かべ、直感的で欲望的なものに捉えられ、
「理性」や「知性」に比べ不確実で曖昧で、本能的なもののように受け取られます。
しかし、「感性」とは、外界の刺激である風景や人、物の美しさや良さを理解でき見
分けられる能力でもあります。地球環境や自然環境が重視され、心の豊かさが求めら
れる時代、論理的、合理的なものの見方ではない「感性」が大切になっています。
「感性」を「感性工学」として位置づけた広島大学名誉教授の長町三生先生は、
「感性とは、ヒトが抱く感情でありイメージであり何かに対して抱く"心"である」、
そして「感性工学は、ヒト中心の社会を築く目的から、ヒトの感性を把握し数値化す
ることで設計へ写像して、多くのヒトに喜ばれる製品づくりをすることである」と言
っています。また、よい物をつくる感性には、「開発する側(経営者・企画者)」・
「使う側(顧客・利用者)」・「ものづくりする側(従業員・作業者)」の三者の感
性が関わっていると言っています。
感性工学は、工業デザインの分野で発達してきましたが、最近では地域づくりやま
ちづくりでの地域の魅力探しや住民との協働の仕組みづくりに活かされ始めています。
地域にある自然や歴史、文化、史跡、そして伝説や事件などを分析し地域活性化の資
源探しをする風土工学、公共事業における住民との対立を解消する合意形成のプロセ
スづくりに、感性工学的発想が活かされ始めています。
地域の空間には、人と自然、人と場所との長い歴史的営みがあります。その蓄積が
「空間の履歴」であると東工大の桑子敏雄先生は言っています。この履歴を捉える能
力が「感性」です。風土の美やしくみを理解する力「感性」が、地域の魅力を引き出
し、活力を生み出します。物質的なモノを追求する時代から人の心を大切にする時代
への変化の中、帰納法的な感性工学は個性ある地域づくりや主体的な住民活動にヒン
トを与えようとしています。
道路部長 西村泰弘
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■編集後記
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開発土木研究所が独立行政法人となって、大きく変わった事の1つに毎年の仕事、
すなわち研究成果に対して評価を受けるようになりました。4月26日に自己評価委員
会道路分科会が開催されました。委員の皆様におかれましてはお忙しい中、ありがと
うございました。
分科会では各研究室ごとに平成15年度の主な研究成果や論文発表数、基準の作成
や現場への適用状況などの実績を報告し、採点していただくこととなります。また、
今後の研究方針についての貴重なアドバイスを頂いております。良い研究成果を上げ
ることは勿論重要ですが、単に実績数ばかりでなく、研究の価値や効果を如何に判り
易く表現するかという工夫が必要だと感じています。今回は、研究成果によるコスト
縮減効果などの経済価値を試算して報告してみましたが、評価委員会のためばかりで
はなく、国民の方々に対しても研究機関の必要性、重要性を理解して頂く努力・工夫
がこれまで以上に求められていると感じています。今後とも、皆様方からも良きアド
バイスをお願いします。
維持管理研究室長 岳本秀人
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