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【北の道リサーチニュース:第3号(2003年12月)】
"寒地道路のリサーチセンター"
独立行政法人北海道開発土木研究所道路部 発行 http://www2.ceri.go.jp/jpn/
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■道路部ニュース
01: 平澤主任研究員が国土交通省国土技術研究会の優秀論文を受賞
02: 三浦・青木賞のファイナリストに選ばれました
03: 第8回舗装工学講演会で論文を発表します
04: 「舗装に関する講演会」を開催しました
05: 道路吹雪対策マニュアル講習会を開催しました
06: 道路交通セミナー「自転車利用と道づくり」を開催しました
07: ITS世界会議で論文を発表しました
08: 雪工学会全国大会で論文発表を行いました
09: ITSシンポジウムで論文を発表しました
10: 第42回北海道開発局空港技術研究会議に論文を発表しました
11:日本道路公団技術事務所との舗装技術交流会を開催しました
■研究紹介
12: <報文>救急医療サービス水準からみた北海道における道路整備の評価について
13: <技術資料>霧発生時における道路付属物の視認性評価実験
■北の道ナビニュース
■道内・国内・海外ニュース
■北の道コラム: 合意形成と「バカの壁」
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■道路部ニュース
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01:平澤主任研究員が国土交通省国土技術研究会の優秀論文を受賞(交通研究室)
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交通研究室の平澤匡介主任研究員が平成15年11月に東京都で開催された国土交通省
の平成15年度国土交通省国土技術研究会・一般部門において、優秀論文を受賞しま
した。
発表論文は、「正面衝突事故対策としてのランブルストリップスの開発について」
です。
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02: 三浦・青木賞のファイナリストに選ばれました (防災雪氷研究室)
http://www2.ceri.go.jp/mt_test/archives/000047.html
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去る11月21日、ITによるユニークなビジネスプランを積極的に評価し、若い起業家
のデビューを応援する「第4回三浦・青木賞」
(http://www.coolvillage.org/maa/index.html)において、社会人の部ファイナリ
ストを、有村特別研究員・加治屋研究室長・松澤副室長が受賞いたしました。受賞テ
ーマは、「電子タグによる観光流動データベース活用ビジネス」であり、観光交通行
動データベースを電子タグにより構築、活用することで地域の経済的持続可能性を支
援する事業を展開するという内容でした。
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03: 第8回舗装工学講演会で論文を発表します (維持管理研究室)
http://www.jsce.or.jp/committee/pavement/
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12月19日に土木学会本部で開催される舗装工学講演会に、当室から3編の論文発表
を行います。
・積雪寒冷地域におけるセミホット型アスファルト混合物の適用に関する検討
(吉井他)
・寒冷地におけるアスファルト舗装の構造設計に関する考察 (岳本他)
・新千歳空港舗装体の劣化原因調査および対策工法の検討 (安部他)
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04: 「舗装に関する講演会」を開催しました (維持管理研究室)
http://www2.ceri.go.jp/iji/hokoku031119.pdf
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11月17日、中国東南大の黄暁明教授の他9名の中国人研究者を迎え、舗装に関する
講演会を開催しました。一行は土木学会主催の日中舗装技術ワークショップのメンバ
ーとして来日したもので、所内視察の際にはチェーンラベリング試験機や排水性舗装
等に興味を示していました。
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05: 道路吹雪対策マニュアル講習会を開催しました(防災雪氷研究室)
http://www2.ceri.go.jp/mt_test/archives/000044.html
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12月10日と12日に北海道開発局道路計画課との共催で「道路吹雪対策マニュアル講
習会」を開催しました。道路吹雪対策マニュアルが平成15年7月に改訂されたことに
伴い、吹雪・防雪対策の基礎知識に関する講演や、マニュアルの改定内容等について
解説を行いました。北海道開発局、北海道庁、日本道路公団、コンサルタントなどか
ら両日あわせて186名の道路技術者に参加いただきました。
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06: 道路交通セミナー「自転車利用と道づくり」を開催しました (交通研究室)
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12月12日に、北海道開発土木研究所と北海道土木技術会道路研究委員会の共催によ
り道路交通セミナー「自転車利用と道づくり」を開催しました。
講演では「自転車と道づくり」と題して、スポーツ・レジャープロデューサーの土
屋朋子氏から、自転車利用が盛んなヨーロッパの自転車事情について日本との比較を
交えたお話を頂きました。
事例紹介として「札幌の自転車環境の取り組み」について、チャリ勉代表の杉山幹
夫氏から大通りの社会実験を、札幌市の久米田真人氏から都心での取り組みを報告頂
きました。
セミナーには全道から約90名が参加し、会場を交えて活発な意見交換も行われ、ア
ンケート結果でも自転車の利用しやすい道路環境づくりの必要性などの提案があり、
有意義なセミナーであったと好評でした。
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07: ITS世界会議で論文を発表しました (防災雪氷研究室)
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第10回ITS世界会議が11月17日から20日にかけてスペインマドリッドで開催されま
した。防災雪氷研究室からは、室長の加治屋が「スマート札幌ゆき情報実験-雪情報
提供による冬期交通需要マネジメントの可能性-」、主任研究員の山際が「ニセコ・
羊蹄・洞爺e街道-北海道におけるドライブ観光支援の地域ITS実験-」、研究員の
上村が旭川開発建設部と共同執筆の「北海道における道路情報の利用者ニーズ-北の
道ナビと冬の峠案内などのアンケート調査結果から-」の3編を発表しました。
会議の詳しい内容は、別途開土研月報にて報告いたします。
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08: 雪工学会全国大会で論文発表を行いました (道路部)
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12月4~5日に福島県郡山市・日本大学工学部で開催されました雪工学会福島大会に
道路部から3名の職員が参加しました。加治屋(防災雪氷研究室長)は、研究分科会パ
ネルディスカッション「冬期道路情報管理について」のパネラーとして参加し、「北
の道ナビ」など北海道開発土木研究所での取り組みについて紹介を行いました。伊東
(防災雪氷研究室)は「道路雪崩対策施設の投資効果計測に関する考察」として、雪崩
施設の投資効果計測手法の一提案を行いました。宮本(交通研究室)は、「加速度計を
用いた冬期路面管理の検討 -試験道路における測定精度の検証-」と題し、苫小牧寒
地試験道路での計測について発表を行いました。このほか、「格子フェンスによる冠
雪落下防止とその原理について」(共著者:維持管理研究室 布施・岳本)が発表されま
した。
雪工学会ホームページ http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsse5/
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09: ITSシンポジウムで論文を発表しました (防災雪氷研究室)
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第2回ITSシンポジウムが12月6~8日に京都において開催されました。このシン
ポジウムは、産官学の様々な分野の技術者や研究者が一同に会する場でもあり、昨年
度に引き続き参加しました。防災雪氷研究室からは、「冬期道路の高度情報提供シス
テムの開発~広域情報提供サービスの実験」「道路用Web記述言語RWML-XML
による道路情報流通」の2つのポスターセッションによる発表、さらには、オーガナ
イズドセッシ「観光とITS」では、加治屋防災雪氷研究室がパネラーとなり、「ニ
セコ・羊蹄・e街道実験」を題材に北海道における取組について発表を行いました。
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10: 第42回北海道開発局空港技術研究会議に論文を発表しました (維持管理研究室)
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12月10日に開催された会議に、当室から1編の論文発表を行いました。
・大粒径中温化アスコンを使用した滑走路補修に関する検討(安倍他)
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11:日本道路公団技術事務所との舗装技術交流会を開催しました (維持管理研究室)
http://www2.ceri.go.jp/iji/jhkoryu.pdf
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12月16日、JH札幌技術事務所との間で舗装技術交流会を開催しました。舗装に関
する両者の研究業務内容を共有し、協力体制を強化することを目的としています。J
H技術事務所では、現場に直結した試験調査を精力的に実施しており、有意義な情報
交換ができました。
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■研究紹介
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12: <報文>救急医療サービス水準からみた北海道における道路整備の評価について
(交通研究室)
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本稿では、北海道における地域医療の現状と問題点について整理し、救急医療の面
から道路整備効果を評価しています。特に救急医療活動の観点から、将来道路網の構
築により二次医療施設までの到達時間が短縮され、生活機会が拡大される効果を同等
規模の二次医療施設を建設運営する効果があると考え、便益として定量的に評価する
ことを試みています。
(月報2003年11月号)
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13: <技術資料>霧発生時における道路付属物の視認性評価実験
(交通研究室)
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濃霧発生時に各種道路付属物が本来持っている視認性を最も効果的に発揮する条件
の把握を目的として、平成14年7月~9月、北海道東部の白糠町町道マリン通りに
おいて、各種道路付属物を模擬設置し、視認性評価実験を実施しました。本実験は、
当研究室と北海道大学大学院工学研究科の共同研究により実施したものです。
本稿では、反射材系や自発光系の素材が視認性を発揮する条件等の実験結果を報告
しました。
(月報2003年11月号)
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■北の道ナビニュース http://northern-road.jp/navi/
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・道路局が全国の道路関係ホームページのアクセス状況(平成15年度上半期)を公表、
北海道開発局はPC用HPアクセスで全国1位に!北の道ナビは半期で337,874件
を記録し、これに貢献! → http://www.mlit.go.jp/road/access_.pdf
・“ITSハンドブック 2003-2004”に「北の道ナビ(P.52)」や「北海道ITS推進フォー
ラム(P.33)」が掲載される。
→ http://www.its.go.jp/ITS/j-html/topindex/topindex_new031126.html
・北の道ナビが冬バージョンに(12/1) → 冬の安心ドライブチェックなどを掲載!
・北の道ナビの冬版パンフレットを印刷中!~近日中に道の駅などで配布予定
※北の道ナビは、北海道内の道路情報を総合案内するサイトで、北海道開発局をはじ
めとする道内主要道路管理者で構成する「北海道道路情報化研究会」の監修のもと、
北海道開発土木研究所が運営を行っています。
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■道内・国内・海外ニュース
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[道内]
・北海道開発局道路事業ホームページが全面リニューアル!
http://www.hkd.mlit.go.jp/zigyoka/z_doro/index.html
・「道路行政マネジメント講演会」の開催案内(北海道開発局)
http://www.hkd.mlit.go.jp/zigyoka/z_doro/new/031212manage/index.html
・北海道の道路 業績計画書(案)の作成とご意見募集(北海道幹線道路協議会)
http://www.hkd.mlit.go.jp/road/ir/gyoseki/index.html
・シーニックバイウェイ北海道が冬バージョンに((社)北海道開発技術センター)
http://www.scenicbyway.jp/
・「野生生物と交通」研究発表会が開催されます(2月27日:札幌)
((社)北海道開発技術センター)
http://www.decnet.or.jp/sp/2004wildlife_tansport/
[国内]
・国土交通省が「-技術が支える明日の暮らし-国土交通省技術基本計画」を公表
(11月21日) http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha03/13/131121_.html
・ゆきみち懇談会提言(12月1日:雪センター)
http://www.yukicenter.or.jp/yukimiti/
・ゆきみらいin米沢2004が開催されます(2月12日~14日:米沢)
http://www.thr.mlit.go.jp/yukimirai/
[海外]
・第7回寒地開発に関する国際シンポジウム(2004年9月13~17日札幌開催)
論文アブストラクトの提出締切り(12/31)迫る!
http://www.iscord2004.com/
・第6回TRB除雪と雪氷対策技術に関する国際シンポジウム(2004年6月米国開催)
のHPが開設されました。
http://www.trb.org/Conferences/Snow/
・米国連邦道路庁(FHWA)~国際プログラムHP
→「日本におけるITSと冬期道路管理」視察報告が掲載されました。
http://www2.ceri.go.jp/mt_test/archives/000045.html
・全米で最も評価の高い道路サイトのひとつ~米国ワシントン州道路局
http://www.wsdot.wa.gov/
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■北の道コラム
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合意形成と「バカの壁」
養老孟司氏の「バカの壁」が200万部を突破し、教養系の新書では過去最大のベ
ストセラーとなり、新聞、テレビで話題になっている。「話せばわかる」などとは簡
単なことではない。これが人と人との間にある「壁」である。
最近、市民参加と合意形成が課題となっている。都市計画決定されたものや事業化
されたものが、改めて市民参加で議論される事例が多くなり、都市計画審議会や行政
の役割は何なのかが問題になっている。十分な議論がされていないから、問題が生じ
るのだと言えばそうである。しかし、養老氏の言葉を借りれば、人それぞれ立場や考
え方が違うのだから、全員が納得することはあり得ない。だから、所詮、合意形成な
ど無理であるとなる。
ある公共事業の推進か中止かを議論するワークショップに、市民として参加したこ
とがある。参加者個々人の情報量の違いの大きさに驚き、また特定の考え方に固執し
他人の考え方を否定する人がいることにも落胆した。このような差がある中で、議論
をして一つの答えを出すことに疑問を感じたことがある。
だからと言って、合意形成の努力を否定しているわけではない。養老氏が言おうと
しているように、皆が同じ考えになれると思う落とし穴に入るな。皆違う考えを持っ
ているのだ。だから、お互いに違っているということを理解した上で、結論や妥協点
を見つけ出そうという努力が大事なのだと思う。
ワークショップは、円卓の場合が多いのだが、各人の異なった立場を背中に隠して、
同じ土俵に立って議論することが大切だという。今はあたかもワークショップをやれ
ば答えが出るかのように、ワークショップがイベント化している場合が多い。しかし、
公共事業における市民参加による合意形成とは簡単なものではない。先ず同じ土俵に
立つため、行政や専門家からの情報提供を徹底的に行い、それぞれの考えや状況を理
解した上、何が最も望ましいのかを見つけ出すため時間をかけて議論をしつくすこと
が、合意形成にとって重要なことである。
道路部長 西村泰弘
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■編集チームより
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▼編集後記
12月16日(火)、札幌大学経営学部で講義を一コマ担当して参りました。
札幌大学の千葉博正先生からの依頼によるもので、年に1~2度担当させていただ
いております。今年で3年目になります。経営学部の学生さん達への講義ですから、
道路行政の組織、しくみ、および道路整備特別会計などの道路行政全般についてお話
して来るのですが、毎年、学生の気を引くためにはどのような話題が良いのか、話題
探しに苦労しております。
今年は、道路関係四公団民営化に関わる話題が大きくマスコミでも取り上げられて
いましたので、それもあわせて、道路局のHPで掲載されている内容を中心にお話し
て参りました。このような大きな問題があることは、あまり良いことではないのかも
しれませんが、話題探しでは楽をさせていただいたような気がいたします。今年は例
年になく、おもしろがってもらえたかなと感じております。
中国からの留学生でいろいろと話題となっている札幌大学ですが、毎年、教室の中
で一番前に座り熱心に講義を聴いているのはこれら留学生達であります。変なのは一
部の学生達なのでしょう。日本人の学生は、後ろの方になんとなく座って聴いている
といった感じです。日本人は、世界の人々のエネルギーを肌で感じる機会を数多く持
って、常に刺激を受ける必要があるのかもしれません。
交通研究室長 浅野基樹
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E-mail 
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