Cold Region Road Engineering Research Group Traffic Engineering Research Team
Roundabouts in Snowy, Cold Region
積雪寒冷地におけるラウンドアバウト
Menu
- ラウンドアバウトについて
- 普及・整備の流れ
- 設置数の推移
- 研究所の取り組み
- 社会実験・実道展開
- 資料・リンク集
【2024年12月27日】「除雪を行う際の留意事項」の動画を掲載予定【公開準備中】
【2021年04月01日】「積雪寒冷地におけるラウンドアバウト」のサイトを公開
ラウンドアバウトとは
ラウンドアバウトとは円形の平面交差点で、環道において車両が時計回り(右回り)に通行し、かつ、交差点に進入する車両は環道の通行を妨げない、環道を走行する車両に優先権がある交差点のことをいいます。
構造は車両が通行できない中央島、交差点への車両の流入出を分離する分離島、車両が通行する環道、大型車など環道の幅だけでは内輪差で回れない車両が通行するエプロンがあります。
ラウンドアバウトのメリットとしては、常に右回り通行なので安全確認が単純になり見落としが少なくなります。円形なので交差点進入前に物理的に車両速度を抑制できます。
また、信号機が設置されないので通行車両は信号待ち時間がなくなります。災害時や停電時でも、信号機が無いので交差点機能が保持されます。
ラウンドアバウトの概要
整備効果について
【安全性が向上】
【利便性の向上】
【災害につよい】
【環境にやさしい】
ラウンドアバウトの整備効果
通行方法について
ラウンドアバウト(環状交差点)は他の交差点と通行方法がことなります。また、自動車、自転車、歩行者でもその方法が異なりますので、詳しくは右図をご確認下さい。
通行方法については、「環状交差点の交通方法」をご覧願います。(企画制作)警察庁、(協力)土木研究所寒地土木研究所、外
通行方法について
ラウンドアバウトの規格①
ラウンドアバウトの大きさ(外径)は、交差点を通行する車両の大きさによって異なりますが、国道交差点の場合、写真のようにセミトレーラー連結車が日常的に通行するので、セミトレーラー連結車が環道とエプロンを利用して通行できる大きさが求められます。
ラウンドアバウトの規格②
右の図は国土交通省が推奨するラウンドアバウトの構造の断面図ですが、この図は設計車両を普通自動車(12m)としており、環道の外径が27mのものです。
国道交差点など、セミトレーラー連結車を設計車両とする場合、より大きな環道外径(例えば36m、40m)が求められます。
セミトレーラー連結車通行の様子
設置数の推移
我が国においては、道路交通法の改正に伴い、2014年9月1日から、「環状の交差点における右回り通行」の運用が開始されました。環状交差点(ラウンドアバウト)は、当初は7都府県15箇所の導入からスタートし、年々増加傾向により推移し、2023年3月には40都道府県155箇所の導入に至っています。
ラウンドアバウト設置数の推移
(警察庁資料による)
1.ラウンドアバウトの試験設置
2009年に、苫小牧寒地試験道路(苫小牧市柏原1-18)に小型1車線型ラウンドアバウト(環道外径:27m)を試験設置しました。当時、日本にはラウンドアバウト設計に関する基準がなかったことから、ドイツのガイドライン(Merkblatt fur die Anlage von Kreisverkehren)(2006年発行)を参考として設計しました。また、国際交通安全学会の研究調査プロジェクト「安全でエコなラウンドアバウトの実用展開に関する研究」に参加し、ラウンドアバウトにおける車両挙動に関する走行実験を実施しました。これにより、ラウンドアバウトの実データの取得が可能となり、我が国のラウンドアバウト研究の先駆けとなるものでした。
2.冬期積雪時の車両挙動の試験
北海道などの積雪寒冷地では、冬期の降雪に伴って、路面が雪氷に覆われます。雪氷路面に覆われたラウンドアバウトにおける車両挙動に関する試験を苫小牧寒地試験道路のラウンドアバウトにおいて実施しました。適切な除雪と路面管理を行うことにより、冬期のラウンドアバウトを運用できることを検証しました。
3.冬期除雪に関する試験
寒地土木研究所では、ラウンドアバウトにおける除雪作業方法を確認するために、除雪車両の施工性、除雪車両の組合せ等に関する試験を実施しました。また、除雪作業の実施に伴い、ラウンドアバウトのエプロン端部を損傷させることが懸念されることから、損傷被害を軽減させるエプロン構造の検討に関する試験を行いました。
4.大型車の車両挙動の試験
ラウンドアバウトにおける大型車の走行性を確認するために、セミトレーラ連結車(車長L=16.5m)の実走行試験を行いました。これは、夏期の乾燥路面と冬期の圧雪路面の2条件で実施しました。
5.実用化に向けた大規模実験
ラウンドアバウトの実用化に向けた大規模実験を2014年9月に、寒地土木研究所は国土技術政策総合研究所と連携し、苫小牧寒地試験道路のラウンドアバウト(外径:27m)で実施しました。本実験は、ラウンドアバウトの適用条件と設計要素を検討することを主目的として実施しました。
6.交通運用
2014年5月には、警察庁による「環状交差点の交通方法」に関する映像撮影が寒地交通チームの協力の下、苫小牧寒地試験道路で行われました。環状交差点(ラウンドアバウト)の通行方法を道路利用者(乗用車、二輪車、歩行者)に周知することを目的としたものです。
環状交差点の交通方法
7.除雪を行う際の留意事項
除雪技術の向上を目的として、寒地機械技術チームでは、今まで得られた知見や調査結果などをとりまとめ「冬期除雪に関する留意事項」と題した動画を作成しました。【公開準備中】
1.社会実験・実道展開への参画
寒地土木研究所では、これまでに、積雪寒冷地におけるラウンドアバウトの社会実験や実道展開の機会に、協議会メンバーやオブザーバーとして参加すること等により、ラウンドアバウトの導入を支援してきました。これまでに、支援した主な自治体は以下の通りです。
1)北海道上ノ国町
2)北海道浜頓別町
3)北海道北広島市
4)山形県長井市
5)長野県飯田市
6)その他
2.寒地道路連続セミナーの開催
ラウンドアバウトに関する研究成果の発表と普及促進のため、セミナー開催を行い、道路利用者に対し、ラウンドアバウトのルールの理解の向上に貢献しています。
▲第43回寒地道路連続セミナー「ラウンドアバウトを活用したまちづくり」(2019年5月, 於:上ノ国町)
さらに、国内でのラウンドアバウトの普及促進への貢献として、
▲ラウンドアバウトサミットin 長井
▲招待講演
▲ポスター発表
3.国際学会や国際委員会への参画
当研究所の研究成果については、国際ラウンドアバウト会議などの国際学会で発表しています。また、国際委員会として、米国運輸交通研究会議(TRB)のラウンドアバウト・他交差点設計及び制御策委員会(Committee on Roundabouts and other Intersection Design and Control Strategies)にも参加しています。
▲TRBラウンドアバウト・他交差点設計及び制御策委員会