【北の道リサーチニュース:第201号(2020年6月)】を発行しました
寒地道路研究グループ : 2020年6月26日
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【北の道リサーチニュース:第201号(2020年6月)】
"寒地道路のリサーチセンター"
国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所寒地道路研究グループ発行
http://www2.ceri.go.jp/jpn/
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■寒地道路研究グループニュース
01:ワイヤロープ式防護柵の性能確認試験を行います(寒地交通チーム)
02:苫小牧寒地試験道路の改良舗装工事に着手しました(寒地交通チーム)
03:第63回(令和元年度)北海道開発技術研究発表会で各賞を受賞しました
(寒地交通チーム、雪氷チーム、耐寒材料チーム、寒地道路保全チーム)
04:(公社)日本雪氷学会学会誌「雪氷」に研究論文が掲載されました(雪氷チーム)
■研究紹介
05:(技術資料)運転支援技術を考慮した道路区画線の条件について(寒地交通チーム)
■関連研究チームニュース
06:上士幌町の重点「道の駅」の開設式に参加しました(地域景観チーム)
■北の道ナビニュース
■道内・国内・海外ニュース
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■寒地道路研究グループニュース
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01:ワイヤロープ式防護柵の性能確認試験を行います(寒地交通チーム)
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ワイヤロープ式防護柵の性能確認試験(衝突試験)を行います。
試験場所:苫小牧寒地試験道路
試験日時:乗用車:令和2年7月15日(水)11時
試験条件:中央分離帯用Am種:高速道路(設計速度100km/h以上)
乗用車:衝突速度100km/h、衝突角度20度
見学を希望する方は、所属、名前、メールアドレスを7月10日(金)までにお知ら
せ下さい。
・見学申し込み先:平澤(hirasawa@ceri.go.jp) 電話(011)841-1738
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02:苫小牧寒地試験道路の改良舗装工事に着手しました(寒地交通チーム)
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試験研究の新たなニーズへの対応、H30年胆振東部地震による被災箇所の復旧のた
め等の目的により、苫小牧寒地試験道路の改良舗装工事に着手しました。倉田研究員
が工事監督を担当しています。
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03:第63回(令和元年度)北海道開発技術研究発表会で各賞を受賞しました
(寒地交通チーム、雪氷チーム、耐寒材料チーム、寒地道路保全チーム)
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令和元年2月18日~20日の3日間にわたり開催された標記研究発表会において発表し
た論文が以下の賞を受賞しました。
【寒地土木研究所長賞】
・暴風雪の適切な評価にむけた国道通行止めと吹雪量の解析:大宮、原田、武知
(雪氷チーム)
・空気量の調整方法が収縮低減剤を用いたコンクリートの耐凍害性に及ぼす影響
-耐凍害性確保のための留意事項-:吉田、安中(耐寒材料チーム)
【北海道開発局長奨励賞】
・スマートフォンを用いた冬期転倒危険箇所の検出に関する研究 -住民協働を想定
した転倒危険箇所検出実験-:齊田、徳永(寒地交通チーム)、高野(北海道大学)
・シラン系表面含浸材の試験施工を行った美幌橋地覆コンクリートでの追跡調査15年
目の評価:遠藤、安中(耐寒材料チーム)、丹羽(網走開発建設部)
・ライフサイクルコスト分析に基づく北海道型SMA適用の有効性に関する一検討:
田中、丸山(寒地道路保全チーム)、亀山(北海道科学大学)
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04:(公社)日本雪氷学会学会誌「雪氷」に研究論文が掲載されました(雪氷チーム)
→ https://www.seppyo.org/publication/seppyo/
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雪氷チームの研究成果が、査読論文として(公社)日本雪氷学会学会誌「雪氷」(5月
号)に掲載されました。
論文名:XバンドMPレーダによる地上吹雪の定量的把握の可能性
著者:大宮哲、國分徹哉、松下拓樹、高橋丞二、松澤勝
雑誌:雪氷, Vol.82, No.3, pp.145-156.
要旨:吹雪による被害を効果的に軽減するためには、その発生状況を面的かつリアル
タイムに把握することが望ましい。本研究では、高時空間分解能を有するXバンドMP
レーダによる上空の観測データから地上における吹雪の発生状況を定量的に把握する
ことができるか、その可能性について検討した。まず、地上での降雪観測結果との比
較によって、レーダ雨量から降雪強度を見積もるための補正係数を提示した。次に、
Dualドップラー解析により上空の風向風速を求めた。求めた降雪強度と風向風速から
上空における飛雪流量を面的に推定し、地上での実測飛雪流量と比較した。その結果、
落下中の降雪粒子の風による移流を考慮することで、地上における飛雪流量の推定値
と実測値の相関が向上することが示された。
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■研究紹介
寒地土木研究所月報に最近掲載した研究事例を紹介します
くわしくはこちら→
https://thesis.ceri.go.jp/db/documents/public_geppo_year/
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05:(技術資料)運転支援技術を考慮した道路区画線の条件について(寒地交通チーム)
→ https://thesis.ceri.go.jp/db/documents/public_detail/64836/
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運転支援装置搭載車両の走行実験を行い、車線維持支援制御装置が機能する道路条
件として区画線レベルを整理したところ、外側線並びに中央線ともに区画線ランク4
以上の管理が求められることが示された。
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■関連研究チームニュース
寒地道路研究グループの研究チーム以外で道路事業関連の研究を実施している研究
チームからのニュースをお伝えするコーナーです。
・地域景観チーム:社会資本空間の景観向上や観光利活用などに関する研究
・寒地構造チーム:地震,落石,厳しい寒さなどから橋や道路を守る技術
・寒地地盤チーム:北海道に広く分布する泥炭地盤特有の問題や凍上被害対策
・防災地質チーム:崖崩れなどの監視システムや予測技術
・耐寒材料チーム:厳しい自然環境に適応したコンクリート構造物技術
・寒地道路保全チーム:寒冷地における舗装技術や道路保全技術に関する研究
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06:上士幌町の重点「道の駅」の開設式に参加しました(地域景観チーム)
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地域景観チームの松田上席研究員と笠間研究員が技術アドバイザーを務めている国
土交通省重点道の駅「かみしほろ」の開所式が6月8日に開催され、松田上席研究員が
来賓として式典に出席しました。
上士幌町へは、「道の駅」のほか、ナイタイ高原の展望施設「ナイタイテラス」も
含めて、構想段階から詳細設計までソフト・ハード両面においてこれまで広く技術指
導を行ってきました。この中で構想段階に提案した管理運営のための観光地域づくり
法人(DMO)設置も実現し、これからの道の駅の管理運営モデルとして参考となる
道の駅になりました。
当日は、両施設の運営や今年度からの第二期整備に向けての技術指導も行いました。
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■北の道ナビニュースhttp://northern-road.jp/navi/(携帯版:http://n-rd.jp/)
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北の道ナビ新着情報には、道路の開通や割引キャンペーンなど、知って得する北海
道の道路関連ニュースが掲載されています。ぜひ、ご覧ください。
北の道ナビ新着情報 → http://northern-road.jp/navi/
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■道内・国内・海外ニュース
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[国内]
・令和2年度土木学会全国大会(年次学術講演会)
期間:令和2年9月9日(水)~11日(金)
場所:名古屋工業大学キャンパス
・第40回交通工学研究発表会
期間:2020年9月7日(月)・8日(火)
場所:日本大学理工学部駿河台キャンパス
論文締切:2020年5月8日(金)締切
http://www.jste.or.jp/Online/happyo40.pdf
・第2回JSTEシンポジウム
期間:2020年12月3日(木)・4日(金)
場所:北海道大学大学院工学研究院
http://www.jste.or.jp/Event/jstesympo02_01highlight.pdf
[海外]
・2020 International Road Weather and Winter Maintenance Conference
& Peer Exchange
(2020年・道路気象および冬期道路管理に関する国際会議および意見交換会)
期間:2020年9月21日(月)~9月23日(水)
場所:米国・ジョージア州・アトランタ市 Grand Hyatt Atlanta
http://www.cvent.com/d/thq3sr
・TRB 100th Annual Meeting (第100回米国運輸研究会議年次総会)
期間:2021年1月24日(日)~1月28日(木)
場所:米国・ワシントンD.C.
本論文提出:2020年8月1日(土)
・ISHGD2021(道路幾何設計に関する第6回国際シンポジウム)
期間:2021年6月23日(水)~6月27日(日)
場所:オランダ・アムステルダム市
https://ishgd2020.org/
アブストラクト提出:2020年7月1日-9月1日
本論文提出:2020年10月1日-11月1日
最終論文提出:2021年1月1日-2月1日
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■編集後記
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ポスト・コロナ社会を創造するための様々なアイデアを、マスコミなどで目にするよ
うになりました。すっかり元のような生活、仕事に戻るというよりも、新しい生活様
式や仕事のやり方を模索し、定着させるフェーズに入ったと思います。
研究所の観測サイトは道内・道外に展開しており、観測機器の設置・撤去・メンテ、
現地調査も含めて、移動自粛などの影響を少なからず受けています。自粛の緩和を契
機に、徐々に遅れを取り戻したいところですが、予防措置をしっかり実施しながら対
応したいと考えています。物理的な距離の確保は絶対条件ですが、コミュニケーショ
ンは逆に濃くなるよう、デジタルツールを賢く活用したいと思います。
雪氷チーム上席研究員 高橋丞二
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