寒地交通チームが、社団法人交通工学研究会の機関誌「交通工学」に投稿した『積雪寒冷地における道路の安全性向上に関する研究開発』(第43巻4号、平成20年7月発刊)が、第12回交通工学研究会技術賞を受賞しました。この賞は、社団法人交通工学研究会が、交通工学の発展に顕著な貢献をした実務的、先進的な技術や施策への取り組みを広く顕彰するために設けられた賞です。過去1年間に機関誌「交通工学」に掲載された紹介・報告・報文、応募または会員より推薦のあった事業の中から選考され、第12回交通工学研究会技術賞には、平成20年掲載の紹介・報告等44編と14事業の中から2件が選定されました。
『積雪寒冷地における道路の安全性向上に関する研究開発』では、寒地交通チームの主要な研究課題である、「冬期道路管理に関する研究」、「寒地交通事故対策に関する研究」及び「北海道らしい道路構造・道路交通管理に関する研究」の取り組み状況について紹介しました。「冬期道路管理に関する研究」では、熱収支法などを用いた路面凍結予測手法の構築、連続路面すべり抵抗値測定装置を用いた冬期路面の定量的評価による管理手法の開発状況と冬期路面管理の意志決定支援への活用状況について紹介しました。「寒地交通事故対策に関する研究」では、北海道で特に多い正面衝突事故対策として、舗装路面に凹型の溝を連続的に設置し、その上を通過する車両に対して振動と音で注意を喚起するランブルストリップスの実用化、設置状況及び効果について紹介しました。「北海道らしい道路構造・道路交通管理に関する研究」では、広域分散型社会を形成している北海道の道路の機能向上として、道路階層区分の基礎整理を示しつつ、2車線道路の追越実態調査や冬期路面状態を考慮した交通流シミュレーション等の活用、道路構造別の性能評価に関する基礎調査について紹介しました。
選考委員からは、実務性と技術的先端性の高さが評価されたと選評をいただきました。今回の受賞を励みとして、引き続き、積雪寒冷な気象条件、広域分散型の土地利用といった北海道の地域特性に起因する道路交通の課題解決に資することを目標に研究開発に取り組み、また、研究成果の発信に努めていく所存です。
▲ 第12回交通工学研究会技術賞の表彰状
|