雪氷チームでは、雪崩・地すべり研究センターと共同で、11月30日に秋田市で「雪崩災害防止セミナー」を開催しました。このセミナーは、最近の雪崩災害の特徴とこれまで国内外で行われてきた雪崩対策や最新の研究状況について理解を深めてもらうことを目的に開催したものです。
基調講演では、新潟大学の西村浩一教授から「最近の雪崩災害から見た防災上の留意点」と題して、雪崩の種類や発生しやすい気象条件について説明していただき、少雪年でも高標高地域で雪崩災害が起きているなど、将来の気候変化でも雪崩に対する備えが必要であることなどが指摘されました。
続いて(独)土木研究所からは、4題の話題提供を行いました。
雪崩・地すべり研究センター所長の花岡からは、「雪崩災害の実態と平成18年豪雪を踏まえた雪崩研究の新たな展開」と題して、雪崩災害と対策の事例紹介、映像やレーザープロファイラを活用した最新の研究成果を紹介しました。
雪氷チーム総括主任研究員の松澤からは、「雪崩の基礎知識と気象情報の有効活用」と題して、雪崩の発生機構と斜面積雪安定度の考え方、雪崩に着眼点を置いたインターネット利用による気象情報の有効活用例を紹介しました。
雪崩・地すべり研究センター(前)交流研究員の中野からは、「豪雪時における雪崩災害防止のための方策」として、現場における応急的な雪崩対策方法と点検マニュアルの策定に向けた構想について説明しました。
最後に、雪氷チーム研究員の松下から「道路雪崩対策と最近の研究成果」と題して、道路における雪崩対策の考え方と北海道で行われている最近の雪崩対策について説明しました。
本セミナーには、国や県、市町村の担当者を中心に77名の参加があり、活発な意見交換を行うことができました。お忙しい中、ご参加いただき大変ありがとうございました。
雪氷チームでは、雪崩・地すべり研究センターと連携して、今後とも雪崩対策に関する研究成果や技術の普及に努めていきたいと考えています。
 ▲セミナーの開催状況 |  ▲新潟大学 西村浩一教授による基調講演 | |
 ▲雪氷チーム加治屋安彦の開会挨拶 |  ▲雪崩・地すべり研究センター花岡正明の話題提供 | |
 ▲秋田県建設交通部の萩原敏明河川砂防課長の閉会挨拶 | |
|