寒地土木研究所
松下拓樹 雪氷チーム研究員 平成18年度 日本雪氷学会 論文賞を受賞


 平成19年9月26日に、「平成19年度 雪氷研究富山大会」のなかで、日本雪氷学会の平成18年度 学会賞授与式が富山市の富山大学で開催されました。
 この授与式で、当研究所 寒地道路研究グループ 雪氷チームの松下拓樹研究員に、平成18年度 日本雪氷学会 論文賞が授与されました。
 受賞対象となった論文は、2006年9月の雪氷68巻5号に掲載された「着雪を生じる降水の気候学的特徴」です。本論文の抄録は以下の通りです。


 本論文は、気象庁の地上気象観測資料を基に、着雪現象に寄与する降水発生の気候学的特徴を明らかにすることを目的としたものです。
この論文では、気温0℃以上で着雪現象を生じうる降水を湿降雪と定義して、地上気温と相対湿度を指標とした湿降雪の発生条件を示しました。この発生条件は、電線着雪の重大事故が発生した時の状況に対応することを確認しました。
 この湿降雪の発生条件に基づいて、日本の過去13冬季(1991年10月~2004年5月)について湿降雪の発生実態を調べました。その結果、湿降雪の発生は、本州の日本海側地域や東北地方南部の内陸地域で多く、関東地方の太平洋側沿岸地域や北海道では比較的少ないことがわかりました。しかし、湿降雪の発生頻度の少ない関東地方や北海道東部では、湿降雪が強い風を伴って発生するため、着雪が顕著に発達する可能性が高いと考えられます。

学会賞授与式(共著者の千葉大学 西尾教授)
▲学会賞授与式(共著者の千葉大学 西尾教授)
論文賞を受賞した松下拓樹研究員
▲論文賞を受賞した松下拓樹研究員
賞状


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