寒地土木研究所
平澤匡介 寒地交通チーム主任研究員 博士(工学)の学位授与される


寒地交通チーム 平澤匡介主任研究員は、平成18年3月23日付けで、室蘭工業大学より博士(工学)の学位を授与されました。

学位論文の題目は、「道路交通事故の分析と対策手法に関する研究」です。

本研究は、交通事故死者数が多い北海道における交通安全対策として、事故要因を分析するための交通事故分析システムや郊外部2車線道路における正面衝突事故を防止するランブルストリップスを開発し、道路安全監査制度(Road Safety Audit)を取り入れた新しい交通安全マネジメントシステムを提案したものです。

得られた主な成果は以下のとおりです。

1)日本全国と北海道の交通事故発生状況を比較し、正面衝突事故による死者数が多いことなど、北海道特有の事故要因と課題について明らかにした。

2)事故要因を詳細に分析し、効果的かつ効率的な事故対策を立案するためにGIS(地理情報システム)を活用した交通事故分析システムを開発した。

3)北海道に適した交通事故対策手法として、ランブルストリップスの最適規格、施工方法を開発し、実道における効果を明らかにした。

4)道路における予防安全対策という新しい概念である道路安全監査制度を検討し、我が国への導入における課題を明らかにした。また、監査チェックリストや交通事故対策マニュアルを作成し、これらを活用した監査プロセスを構築し、新しい交通安全マネジメントシステムを提案した。

ランブルストリップスを実道へ設置した結果、設置した区間では、正面衝突事故発生件数が半減しました。施工費用も安いため費用対効果が高く、平成14年7月に初めて一般国道5号で設置されて以来、平成18年3月までに北海道内の一般国道において約400km以上に設置され、急速に普及しつつあります。全国的な普及も期待され、現在設置ガイドラインを作成中です。また、交通事故分析システムや交通事故対策マニュアルは、北海道開発局の各開発建設部及び道路事務所の交通安全担当者に配布し、効果的かつ効率的な事故対策の実施などの業務に活用されています。

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▲学位記を授与された平澤匡介氏

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