石狩吹雪実験場は、札幌市中心部から北方約17kmの石狩川下流部旧河川敷に位置します。この地域は、冬期に強い北西の季節風を受けて北海道内でも吹雪頻度が最も高い地域のひとつです。
このため、一般道では実施困難なフルスケールでの吹雪障害に対する各種実験が可能です。実験場内は、試験走行路を中心とした「北ゾーン」と、吹雪対策施設や吹きだまりの実験を行う「南ゾーン」に分かれています。 |
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北ゾーンは、1周800mの試験走行路や気象観測装置等で構成され、吹雪による視程障害下での視線誘導施設や車両等の視認性の調査、気象条件と視程障害の関係解明に向けた調査、除雪作業の効率化に関する実験などを行っています。
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試験道路の概要
・本線:暫定2車線 簡易分離
・周回延長:L=約800m
・道路延長:直線部L=300m:曲線部L=500m
・道路幅員:W=15m
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実験設備
本実験場には次のような実験観測施設が整備されています。
● 気象測器(風向風速計、雨量計、視程計、積雪深計) ● ITVカメラ ● 道路照明
● 長時間録画装置 ● 道路情報板 ● 固定式視線誘導柱 ● 視程板
● 吹雪粒子計(SPC) ● データ処理棟 ● 吹雪室内実験装置 ● 観測棟 |
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地形や防雪施設の条件を変化させて実験を行うことは、非常に規模が大きくなるため困難です。このため、様々な地形や防雪施設を模型により再現して風洞実験を行い、吹きだまり災害発生に至る過程を解明します。
また、夏期においても、吹雪の再現が可能である事から、冬期の現地試験の準備としても可能です。
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●気象条件と視程障害の
関係解明に向けた調査 |
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●視線誘導施設や車両の
視認性調査 |
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●バイオディーゼル燃料の除雪機械における
冬期適応性試験 |
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南ゾーンは、道路防雪林の育成施設、防雪柵の実験施設、吹きだまり試験道路で構成され、道路防雪林の造成手法、防雪柵の機能評価、吹雪対策技術の開発、吹きだまり災害の防止に関する調査などを行っています。
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試験道路の概要
・防雪林試験地:20m×100m
・防雪柵 吹き止め柵:102m、吹き払い柵:49m
・吹きだまり試験道路 盛土部:L=30m、切土部:L= 30m |
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道路防雪林は、吹雪対策として整備が進められていますが、植栽後生育不良となる樹木も見られます。その一因は生育基盤の構造と考えられており、ここでは生育基盤の造成手法を中心に、防雪林の育成管理に関する研究を行います。
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防雪柵は、風を弱めたり、方向を調整することによって道路上の吹きだまりを防ぎ吹雪時の視程を改善する施設です。ここでは防雪柵の機能を評価するため、吹きだまり形状や道路上での視程を計測できます。
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切土道路では盛土道路に比べて吹きだまりが発生しやすくなります。ここでは道路構造による吹きだまり形状や速度の違いを把握し、災害を未然に防ぐための調査を行います。
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